ヒア・カムズ・ザ・サン (3)
文字数 377文字
この人のこの顔を見るのはひさしぶりだな、とベンジャミンは気づく。
「何か言われたんですか? その、やくしまるくんて子に」
「ああ。いや。べつに」
「そうなの」
「
横顔を見せたまま、ふいに目頭を押さえた。
「ちょ……来た」
しばらく黙って見まもってから、ベンジャミンも大きな手で、クロードの肩をぽんぽんと叩いた。
道は、ある。
と思う。
と、思いたい――
自分にも言い聞かせるベンジャミンだ。
しかし、
「だめ」
「なんで」
片手で目頭を押さえつつ、一瞬の隙をついてもう片方の手で謎のボタンを押そうとするクロードを、ギリで阻止するベンジャミンでもあった。