文字数 200文字

 そうだ、人間は死んだことがないし、これからも死ぬことなどないのだ。
 はじめから死など存在しないのだ。ぼくが夢の中でつくりあげた幻想なのだから。
 死はぼくの夢が創出した概念なのであり、「死」という語もまた然りである。

 地上13階にあるぼくの部屋の窓を、外から何者かがカタカタと叩く。
 目覚まし時計が帰ってきたのだ。窓を開けて入れてあげると、それはミャオと鳴いた。
 さて、チョコレートをあげる時間だ。
 
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