プロローグ

文字数 313文字

——出会ってしまったら最後、愛さずにはいられない。

 少し前の自分なら、そんなバカな……と一笑に付していたことだろう、と洋之はふっと小さく苦笑いをした。一目惚れなんて若気の至りでする、恋のはしかにかかったようなものだ。そんなメロドラマみたいなこと、現実にあるわけがない。大体、一目見ただけで、一体、相手の何がわかるっていうんだ……?一目で好きになったくらいのことが、どう具体的になろう筈もないではないか。
——今でも、頭の中の冷静な一部分はそう告げている。
 でも、ある日を境に、世の中には、そういう出会いがあるということを知った。出会った瞬間から、どうしようもなく惹かれ、忘れられなくなる——そういう出会いがあるということを……。
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