〜真の勇者を求めて〜
文字数 1,141文字
この「エルフの涙」だって、もう腐ってるよ。
いっくら魔力が宿ってるって言っても、所詮は魔力回復の道具でしかないんだから。
このアイテムをゲットすれば、世界中の道具屋にこの知識が広まって、勇者一行の旅は楽になるっていうのにっ!
やあ、君がエルフのエルミナかい?
噂に聞いていたけれど、エルフっていうのは天使の様に綺麗なんだね。
「エルフの涙」よりも、僕は君を見られた事が最高に嬉しいよ。
きっと、世界を救う原動力になると思う、あなたは……美しい……。
すっ、すまない。ぼっ、冒険には関係ない事だったね。
実際、勇者はエルフの里を訪れていた。
一行が気がついた事は2点。
一点は、エルミナさんって結構病んでる感じの人で、あまり近寄りたくないて事。
確かに数年は待たせたのだろうけど、自分からアプローチするような知恵はないのかって話。
もう一点は、頑張って魔力回復(小)のアイテム「魔法の水」を溜め込んで最終ステージまで迎えば、
魔力回復(大)の「天使の飲み薬」をゲットして、魔王城行けるなという事。
そう、「エルフの涙」は魔力回復(中)のアイテムに過ぎない。
そして……。
「エルフの涙」はこうして継ぎ足しされていた。
涙系の妄想の種類も数十はある。
案外エルミナは幸せなのかもしれない。
〜おしまい〜