第14話 スウィート・フランツェン
文字数 1,285文字
城の外には、大勢の人が詰めかけていた。皇帝がベランダへ出ると、人々は、一斉に歓声を上げた。
皇帝のすぐそばに、彼の孫がいた。
フランツは、祖父のコートの裾を、しっかりと握りしめていた。
人々の目は、この、フランスから来た孫に据えられていた。
文字数 1,285文字
城の外には、大勢の人が詰めかけていた。皇帝がベランダへ出ると、人々は、一斉に歓声を上げた。
皇帝のすぐそばに、彼の孫がいた。
フランツは、祖父のコートの裾を、しっかりと握りしめていた。
人々の目は、この、フランスから来た孫に据えられていた。
フランツ(フランソワ)
ナポレオンとオーストリア皇女、マリー・ルイーゼの息子。父の没落に伴い、ウィーンのハプスブルク宮廷で育てられる。
無位無官のただの「フランツ君」だったのだが、7歳の時、祖父の皇帝より、「ライヒシュタット公」の称号を授けられる。