第58話 ビッグ・ブラザー
文字数 437文字
自走式お掃除ロボットのスイッチを入れる。
「ウィー……ン。……いえす、マスター」
合成音声を出して、お掃除ロボットが起動。お掃除を開始する。
瞬く間におれの部屋が綺麗になっていく。
お掃除ロボがにっこり笑う。
「いえす、マスター」
「ふむ。……って、うおおぉぉい! バカ! それ、隠しておいたエロ本」
「いえす!」
ロボットはおれのエロ本を持って部屋を飛び出す。
そしてまっすぐに母の部屋へ。
数分後おれの目の前に現れた母は、
「ガキが! こんな本読みやがって!」
と言って、エロ本を床に投げ捨てると、そこに唾を吐いた。
潔癖症の母を連れてきたお掃除ロボットはにっこり笑う。
「監視社会で安全・安心な社会を! いえす!」
そう、こんなところにもジョージ・オーウェルの描いたような監視社会が根を下ろしていた。
おれのお小遣いは減らされた。
クソ! オーウェルめっ!
おれは農場で飼い慣らされている動物であることを受け入れるしかなかった。
〈了〉
「ウィー……ン。……いえす、マスター」
合成音声を出して、お掃除ロボットが起動。お掃除を開始する。
瞬く間におれの部屋が綺麗になっていく。
お掃除ロボがにっこり笑う。
「いえす、マスター」
「ふむ。……って、うおおぉぉい! バカ! それ、隠しておいたエロ本」
「いえす!」
ロボットはおれのエロ本を持って部屋を飛び出す。
そしてまっすぐに母の部屋へ。
数分後おれの目の前に現れた母は、
「ガキが! こんな本読みやがって!」
と言って、エロ本を床に投げ捨てると、そこに唾を吐いた。
潔癖症の母を連れてきたお掃除ロボットはにっこり笑う。
「監視社会で安全・安心な社会を! いえす!」
そう、こんなところにもジョージ・オーウェルの描いたような監視社会が根を下ろしていた。
おれのお小遣いは減らされた。
クソ! オーウェルめっ!
おれは農場で飼い慣らされている動物であることを受け入れるしかなかった。
〈了〉