第18話
文字数 748文字
とりあえずゲームを始めることとなった。
スイッチを入れると画面が点灯し、セガ・サターンのロゴが表示された。
しばらく待つと、タイトル画面らしきものに切り替わる。
「これは?」
僕は当然のように尋ねた。
「ボンバーマンよ。正確には『サターンボンバーマン』ていうんだけどね。家庭用ボンバーマンでは唯一、十人対戦できるのよ」
ボンバーマンとは直訳すると『爆弾男』。えらく物騒な名前だ。それにしても「十人」対「千」ってどーゆーこと?
「どうしてこれを?」
「初心者向けだからよ……っていうのは表向きの話。もちろんビギナーでも遊びやすいのも理由の一つだけど、本当は……」
「本当は?」聞き返さずにはいられなかった。
萌恵はにやりと口を歪めると、小粋な笑顔を振りまいた。
「今度の大会の種目に選ばれたの。だから……ね?」
松田聖子の歌じゃないけど、萌恵は天使のウインクをした。
顔中が溶けたロウソクのようにドロドロとなり、瞳がハートになるのを感じる。コントローラーを持つ手にも思わす力が入り、小さく「よっしゃーっ!」と叫んだ。
萌恵から説明を聞き、なんとなくシステムを把握する。
だが、いざスタートしてみると、開始五秒で自爆してしまった。
「……何やってんの? あなた、思った以上にバカだったみたいね」
面目ないとうなだれるしかなかった……。
火曜日と水曜日は、関根海荷と三橋院こずえに指導を受ける予定であったが、それぞれ急用ができたらしく、僕ひとりで自主練となった。
コンピューター相手の対戦だとイマイチ張り合いがないが、それでも結構手ごわく、連敗を重ねていく。
しばらくゲームを続けていくうちに、徐々にコツを掴みだし、わずかだが勝率が上がっていった。
僕って意外と才能あるんじゃね?
だが、それは幻想でしかなかった。
スイッチを入れると画面が点灯し、セガ・サターンのロゴが表示された。
しばらく待つと、タイトル画面らしきものに切り替わる。
「これは?」
僕は当然のように尋ねた。
「ボンバーマンよ。正確には『サターンボンバーマン』ていうんだけどね。家庭用ボンバーマンでは唯一、十人対戦できるのよ」
ボンバーマンとは直訳すると『爆弾男』。えらく物騒な名前だ。それにしても「十人」対「千」ってどーゆーこと?
「どうしてこれを?」
「初心者向けだからよ……っていうのは表向きの話。もちろんビギナーでも遊びやすいのも理由の一つだけど、本当は……」
「本当は?」聞き返さずにはいられなかった。
萌恵はにやりと口を歪めると、小粋な笑顔を振りまいた。
「今度の大会の種目に選ばれたの。だから……ね?」
松田聖子の歌じゃないけど、萌恵は天使のウインクをした。
顔中が溶けたロウソクのようにドロドロとなり、瞳がハートになるのを感じる。コントローラーを持つ手にも思わす力が入り、小さく「よっしゃーっ!」と叫んだ。
萌恵から説明を聞き、なんとなくシステムを把握する。
だが、いざスタートしてみると、開始五秒で自爆してしまった。
「……何やってんの? あなた、思った以上にバカだったみたいね」
面目ないとうなだれるしかなかった……。
火曜日と水曜日は、関根海荷と三橋院こずえに指導を受ける予定であったが、それぞれ急用ができたらしく、僕ひとりで自主練となった。
コンピューター相手の対戦だとイマイチ張り合いがないが、それでも結構手ごわく、連敗を重ねていく。
しばらくゲームを続けていくうちに、徐々にコツを掴みだし、わずかだが勝率が上がっていった。
僕って意外と才能あるんじゃね?
だが、それは幻想でしかなかった。