第2話 転校生が来るらしい
文字数 2,031文字
登校口にはられているクラスわけの紙を見る。俺と明。
俺は3組から見るが、俺の名前も明の名前も愛の名前もなかった。4組も同じように名前がなかった。
(これってもしかして、俺と愛が同じクラスなんじゃ!)
淡い期待をしながら、明の方へ向かう。
マジか!教室行くの楽しみになってきた!(笑)
(マジかよ…)
神谷 俊は学年一のイケメン…顔が良いだけじゃなくスポーツ万能な上に凄く性格も良い…
神様と言われている…
同じクラスになった女子はほぼ全員神谷を好きになってしまうという現象が去年起きていた…
ということは今年は愛と神谷が同じクラスになってしまったということ…
(あ〜俺のはかない恋は終わった…)
(こいつ他人事だと思いやがって…)
俺はお前と中学から一緒だから、小学校とかその前のことは知らないけど、中学時代のお前はウジウジ、高校生になってもウジウジ、いつまでもウジウジしてるから、こうなるんだろ(笑)
神様を好きになっちまう前に当たって砕けろな(笑)
砕けた時は俺がなぐさめてやるよ(笑)
そんなことを言いながら明と教室に向かう途中、職員室の前に人だかりが出来ていた。
なんの騒ぎだろうかと思うけど、人だかりが凄くて見えないが、前から来た、知ってるやつが教えてくれた。
俺と明は教室に入るとそれぞれの席に着く。
愛は先に席に座っていて、愛の隣の席がなんと、よりにもよって神様こと神谷 俊だ…
俺の席は端の一番後ろで隣の席はなし…
真ん中の列の一番後ろの愛と神谷がお隣さんみたいなもん…
(地獄の光景じゃねぇかよ…)
明が遠くの席から笑いながら俺を見ているのがわかる…
(いや、笑い事じゃねーから…)
愛が神谷と仲良さそうに話していたのをやめて、俺の方を向いて1つ分あいた席の距離で話しかけてきた。
愛の隣の席の神谷が俺の方を向いた。
(うわ〜神様輝いてる…周りの女子が神様しか見てない…(笑))
愛が神谷に笑顔でそう言う。
神谷も愛に微笑みかえす…
(これは地獄の日々の始まりですか…?(泣))
神谷が俺の方を向いて話しかけてきた。
(あ〜あ…なんていい奴なんだろう…俺みたいなモブのようなやつにも話しかけてくれて仲良くなろうとしてくれるなんて…)
このあと神谷は次々に女子や男子から話しかけられていた。
先生が入ってきて、静かになる教室。
出席を取り始める先生。俺たちの担任となったのぞみちゃんこと希先生は若くて容姿も良くて男子からも女子からも人気のある人。
そんな担任に、神谷のいるクラス…1組はさぞ華のあるクラスなんだろうな。
そんなことを考えていると、俺が出席の名前を呼ばれていることに気づかなかった…
愛と神谷が手をふっているのが視界に入り我に返ると、先生が目の前にいた…