36話 捜索 その3

エピソード文字数 1,105文字

僕は食堂に入った。食堂には、テーブルに座っているプーやんがいた。プーやんはどこから手に入れたのか、アイスクリームを箱からスプーンで直に食べている。
プーやん、こんな時になに呑気なことしてるんだよ
冷凍庫を開けたらあったから食べてるんだよ。何をしようと俺の勝手だろ
塩崎を捜せよ
フン、塩崎はきっと見つからないよ。それで合宿終了さ
どうして見つからないって分かる?
勘だよ、勘
プーやんはスプーンについたアイスをペロリとなめて答えた。

プーやんの勘など、今までに当たった試しがない。しかし、今回は本当に、塩崎は見つからないような気がしてきた。
何か、台風が近づいてるみたいだな。状況はよろしくないね。さっきテレビで言ってたけど。帰るなら帰るで、夕方までに帰らないとバスがなくなる
プーやんが窓の外で揺れる木々を見て言った。
バスか・・・
この山を降りる交通手段は、もっぱらバスが主流になる。
プーやん、バスの時刻って覚えてる?
ええっと、朝一が9時、次に12時ちょうど、その次は3時、最終が夕方の6時。ふん、それがどうかしたのですか
いや・・・
3時間ごとで、日に4本しかないのか。僕は腕時計を見た。いつの間にか、すでに午後1時を越している。となると、次のバスは3時か。それを逃すと最終の6時になる。
プーやん、アイスを食べ終わったら、塩崎を探しにいけよ
フン、分かってるよ
僕は食堂をあとにした。
僕はラウンジにやってきた。ここには誰もいない。

そういえば、ここの窓のカギは壊れていて、こっそり寮を抜け出したりするときに生徒はここから出入りしている。

塩崎はここを使って昨晩、寮を抜け出したのだろうか?

仮にそうだとして、なぜ塩崎はコソコソと抜け出したのだろうか?

そんなことを考えたところで、塩崎は現れない。他の場所を探してみよう。
僕は自分の部屋に入った。

織田切君のベッドを見ると、荷物は跡形もなく消えている。

・・・これでまた1人になったな。

僕はガランとした部屋を見回した。特に気になるところはない。

いや、なにか違和感がある。

そうだ、窓が、まるで部屋を換気をするように全開になっていた。

僕は窓を閉め、カギを掛けた。そして、自分のベッドへ行ってみる。それにしても、昨日、塩崎は僕のベッドで寝たのだろうか? もしそうだとしたら、あれから塩崎の身に何が起こったというのだろうか?織田切君は塩崎が消えたときのことを本当に何も知らないのだろうか?
「朝起きたときには部屋には誰もいなかった」
と織田切君は言っていたらしいが、本当だろうか?そもそも、どうして塩崎はいなくなったのだろう?そんなことを考えていたら、僕はもう1つの違和感に気づいた。
・・・何だ、この匂い?
つづく
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登場人物紹介

「小川弘樹」

主人公。密かに鈴原あゆみに恋してる普通の高校生。でも鈴原が好きな事はみんなにバレバレ。鈴原が近いと少し声が大きくなるからだ。

最近、ワックスは髪型を自由に変えられる魔法の練り物だと思ってる。

「鈴原あゆみ」

バスケ部のマネージャー。とにかく明るくて、いつも笑顔を絶やさない。
明るすぎて悩み無用と思われてる。そんなわけないでしょ! と一応怒った事もある。
弘樹は怒った顔も可愛いと思った。

「海老原さとる」

バスケ部キャプテン。力強くみんなを引っ張っていく。多少強引なところもある。

あまり女の子の話とかしないので部員に疑われた事もあるが、普通に女の子が好き。らしい。

「武藤純一」

文武両道で、バスケもうまく、頭脳明晰。優しく、皆が熱くなった時も冷静に答えを導こうとする。殴られたら殴り返す男らしい一面も。

いつもメガネがキラリと光る。人の3倍くらい光る。風呂に入る時もメガネをつけるので、体の一部と言われている。横顔になるとメガネのフレームの一部が消えたりはしない。

メガネが外れると3みたいな目になる。

「若宮亮太」

ヤンチャな性格で、言いたい事はズバズバ言う。プーやんをいつもいじってる。背が少し低い。そこに触れると激怒するのでみんな黙っている。

「人をいじっていいのは、逆にいじられても怒らないこと、お笑いの信頼関係が構築されてることが条件だ」と武藤に冷静に指摘されたが、その時も怒った。

沸点が低い。というより液体そのものが揮発してる。

いつもプーヤンをいじってるが、格ゲーでボコられてる。すぐにコントローラーを投げるのでプーヤンにシリコンカバーを装着させられてる。

怖い話とか大好き。

「長野五郎」

略してプーやん。いや、略せてないけど、なぜかプーやんと呼ばれてる。いつも減らず口ばかり叩いてる。若宮にいじられながらも一緒にゲームしたりと仲が良いのか悪いのか謎。ゲームとアニメ大好き。犬好き。

将来の夢はゲームクリエイター。意外と才能あるのだが、恥ずかしいのか黙っている。

エクセルのマクロを少し扱えるので、自分はハッカーの素質があると言った時は武藤にエクセルを閉じられなくするマクロを組まれた。

「塩崎勇次」

おっとりした性格で、人からの頼みは断れない。心配性。
心配しすぎて胃が痛くなる事も多く、胃薬を持ち歩いている。

キャベツは胃に良い、だからキャベジンはキャベジンって言うんだよ、というエピソードを3回くらい部員にしてる。

黒いシルエット。それはが誰なのか、男なのか女なのか、しかし、人である事は確か、という表現ができる。少なくとも猫ではない。

だいたい影に隠れて主人公たちを見てニヤリと笑い、だいたい悪いことをする。
この作品では初っ端からアクティブに大暴れしてる。

酒井先生。バスケ部の顧問だが、スポーツに関する知識はない。

奥さんの出産が近いため、そわそわしている。

織田切努(おだぎり つとむ)。謎の転校生。

夏休みで、寮に慣れるためにやってきたらしい。 

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