第76話

文字数 142文字

 ぐつぐつと煮える粥。焦げつかないように木べらで掻き回しながら、娘の言葉を思い出していた。
 熱はまだ下がってないが、掻き回していると、温度がならされて頭も冷めていくようだった。
「あの子が決めたなら、それもいいかもしれない……」
 卵を落とすと、白い粥のまん中で目玉が黄色く笑った。
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