第6話 ❀ わたしに肉をください

文字数 648文字

婚約者ルークの姉、アイリスに図書室へ案内されたメアリー。


アイリスがいなくなったあとも、図書室で読書にふけっていた。

  ぐぅぅ~

あら、もうこんな時間。お昼御飯はどうしたらいいのかしら・・・

みずから食堂に行けばいいのか。それとも使用人が呼びに来るのか。貴族の風習が分からない。

(どうしましょう。「ご飯ください」なんて言いにくいし。我慢するしか無いのかしら)

ピチチチ、と外からさえずりが聞こえた。


窓辺へ近づくと、一羽の小鳥が空を泳いでいた。

照り焼き…肉・・・

思わずひとりごと。


まわりをきょろり・・・。だーれもいない。

肉、肉、肉! なんでもいいから……肉が食べたい!


神様、わたしに肉をくださ―い!!

ガタンッ……バサバサバサ!
・・・・・・・・・・・・。

彼の足下には多数の本が散らばっていた。


ぽかーんとしていたメアリーは。

(し、し、しまった――!?

あとのまつりであった。



  ✿  ❀  ✿  ❀  ✿



実はルーク、メアリーが図書室に来る前から、ここにいたのだ。


図書室の奥にある「書庫」に。


数冊をかかえて書庫から出ると、窓際の席に人の姿が見えた。

(め、メアリーさん!?)
思わず、さっと書棚に隠れてしまう。

(なに隠れているんだよ自分! せっかくだしメアリーさんに声をかければ・・・。かといって話題もないし、親しくなるなら昼食の席でもいいか・・・)

ルークが忍び足で図書室を出ようとしたその時。

肉、肉、肉! なんでもいいから……肉が食べたい!


神様、わたしに肉をくださ―い!!

彼女の大きなひとり言を、聞いてしまった。
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登場人物紹介

シスター・ガブリエラ


本名:メアリー・デイヴィス

ルーク・リンフォード


伯爵卿の息子。

シスター・テレサ


修道女。負傷兵アルバートの手当てをした。

アルバート


 元軍人。顔が怖い。

 戦後、警察官になる。

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