第4話 アドラー、ユング、フロイト

文字数 497文字

『精神分析学入門』を読み始めたのは高校1年のころだった。同時期『老人と海』なども読んでいた。ヘミングウェイ短編集では「キリマンジャロの雪」が印象深い。
フロイトの無意識についての論、性欲が人間活動の源である、という人間観はとても衝撃的だった。爾来、40年の年月を経て、彼の達見に驚き、精神分析学とは科学というより透徹した人間観である、と感じている。
ユングの集合的無意識、アニムスとアニマ、アーキタイプなどのアイディアも心を刺激し、バラモン教などの梵我一如などの考えを彷彿とさせ、昨今流行の「ワンネス」の先取りであったと感ずる。
それに比べ、不覚にもアドラーはここ数年まで殆ど知らず、3巨頭の一角であることも知らなかった。彼の考えは目的ありき、つまり、人生をよくしていくための指針、一種の英語でいうマイ・フィロソフィーとでも言った方が適切であると感ずる。
謂わば、プラグマティズムと言っても、間違いではないであろう。
酒は殆ど飲まぬので、不案内だが、「第3のビール」が売れていると聞いたことがある。三代目は家業を潰すと言うが、第3の巨頭アドラーは実践哲学の提唱者、というのが自分から見ての彼の印象である。
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