その12
文字数 453文字
僕とユキはグッタリしたようにベッドに横になった。
「あのなぁ、健太郎にもう一つだけ、嘘ついてるんよ」
ユキは、素っ裸のまま、こちらに向き直りながら言った。
「どうしたが?」
僕は朦朧とした意識の中、目を閉じたまま聞き直した。
「実はいまワタシ、妻子ある人とつきあってるんよ」
ユキは僕が黙ったままでいることを気にして、
「けどなぁ、健太郎が許してくれるなら、別れるから、なぁ、なぁ」
と僕の体をゆすった。
僕は奔放な男遍歴の原因が父親にあることを感じながら、ユキに生まれながらにそなわった淫乱な血を感じた。
「その男といますぐ別れてくれるんやったら、ユキちゃんと一緒になることは考えてもいいけど……。もしも別れんかったら、もう終わりにしよう」
僕は正直今のユキとは、一緒になっても男のことで苦労する羽目になるだろうと思った。
ユキとはこのままずっと、今の関係を続けていけさえすればいいと、身勝手に思っていた。
しかし、ユキは本心なのかどうなのかわからないように、一緒に暮らしたいとか、僕の子供を産みたいとか言った。
「あのなぁ、健太郎にもう一つだけ、嘘ついてるんよ」
ユキは、素っ裸のまま、こちらに向き直りながら言った。
「どうしたが?」
僕は朦朧とした意識の中、目を閉じたまま聞き直した。
「実はいまワタシ、妻子ある人とつきあってるんよ」
ユキは僕が黙ったままでいることを気にして、
「けどなぁ、健太郎が許してくれるなら、別れるから、なぁ、なぁ」
と僕の体をゆすった。
僕は奔放な男遍歴の原因が父親にあることを感じながら、ユキに生まれながらにそなわった淫乱な血を感じた。
「その男といますぐ別れてくれるんやったら、ユキちゃんと一緒になることは考えてもいいけど……。もしも別れんかったら、もう終わりにしよう」
僕は正直今のユキとは、一緒になっても男のことで苦労する羽目になるだろうと思った。
ユキとはこのままずっと、今の関係を続けていけさえすればいいと、身勝手に思っていた。
しかし、ユキは本心なのかどうなのかわからないように、一緒に暮らしたいとか、僕の子供を産みたいとか言った。
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