第14話 ケース1 女子高校生失踪事件⑬
文字数 1,015文字
「……最近の映画はあまり好きじゃないかな。で、その様子だと、元に戻ったんだろう? なら、次は廊下にいる連中をどうにかしないとな」
あ、そうだ、一瞬忘れていた。
ドアは軋みを上げ、タンスが揺れ動いている。正気に戻った女の子たちが、必死に抑えているけど、あの様子じゃそろそろ突破されてもおかしくないだろう。
「来世さん、その目でどうにかできないんですか?」
「無理だ。この目は洗脳を解くだけで、あとは光るくらいしか能がない」
うわ、オワタ。死刑宣告された人ってこんな気持ちなんだろうか?
……でも、せっかく冷夏を見つけたんだから、諦めてたまるもんか。
決意を新たに、冷夏を見ると、彼女の顔が悪者みたいな笑みでぐしゃぐしゃになっていた。あー、これ絶対ろくなことを思い浮かべなかったな。
私の予想を現実のものとするように、冷夏は、
「はい、案があります」
と手を挙げた。
※
「くそ、扉の向こうに何かおいてやがるな」
男たちは、荒々しく息を吐き、扉を睨む。
まずいことになった。扉の向こうにいる少女たちは、海外の変態たちに売りさばく商品だ。
万が一傷がつくのはまずい。
「ええい、何をしている。窓から脱走しないように、佐藤と高橋は外から見張っておけ。お前は、一階からハンマーか何かを持ってきなさい。ああ、あの子らは何をしているの? あんたらと一緒で使えないわね」
ヒステリー気味な女の声に、男たちは嫌そうな顔になったが、ロボットのように言うことを聞く。
……仕方ない、仕方ない。だって、この女は使えるから。
そう言いたげな瞳に、女は気付かない。
「どうした少女らよ。悪魔から逃げるのです。扉を開けてください」
「教主様、悪魔たちが倒れました。今、扉を開けます」
女は、眉をひそめた。悪魔を倒せと命じたわけではない。洗脳した彼女らは、命じたこと以外しないはずだ。
(持病か? いや、二人ともなんて不自然)
重たい物を引きずる音が、扉越しに聞こえる。なんにせよ、部屋に入ればわかることだ。
女は、人差し指を太ももに突き刺すようにトントンと叩きながら、待った。
「こちらです」
ようやく扉が開かれ、金髪の少女がメイドのような仕草で女を招き入れた。
(この子は、確かメイド喫茶で働いていたとか言っていたな。は、意外なところで役立ったようね。悪くないわ)
あ、そうだ、一瞬忘れていた。
ドアは軋みを上げ、タンスが揺れ動いている。正気に戻った女の子たちが、必死に抑えているけど、あの様子じゃそろそろ突破されてもおかしくないだろう。
「来世さん、その目でどうにかできないんですか?」
「無理だ。この目は洗脳を解くだけで、あとは光るくらいしか能がない」
うわ、オワタ。死刑宣告された人ってこんな気持ちなんだろうか?
……でも、せっかく冷夏を見つけたんだから、諦めてたまるもんか。
決意を新たに、冷夏を見ると、彼女の顔が悪者みたいな笑みでぐしゃぐしゃになっていた。あー、これ絶対ろくなことを思い浮かべなかったな。
私の予想を現実のものとするように、冷夏は、
「はい、案があります」
と手を挙げた。
※
「くそ、扉の向こうに何かおいてやがるな」
男たちは、荒々しく息を吐き、扉を睨む。
まずいことになった。扉の向こうにいる少女たちは、海外の変態たちに売りさばく商品だ。
万が一傷がつくのはまずい。
「ええい、何をしている。窓から脱走しないように、佐藤と高橋は外から見張っておけ。お前は、一階からハンマーか何かを持ってきなさい。ああ、あの子らは何をしているの? あんたらと一緒で使えないわね」
ヒステリー気味な女の声に、男たちは嫌そうな顔になったが、ロボットのように言うことを聞く。
……仕方ない、仕方ない。だって、この女は使えるから。
そう言いたげな瞳に、女は気付かない。
「どうした少女らよ。悪魔から逃げるのです。扉を開けてください」
「教主様、悪魔たちが倒れました。今、扉を開けます」
女は、眉をひそめた。悪魔を倒せと命じたわけではない。洗脳した彼女らは、命じたこと以外しないはずだ。
(持病か? いや、二人ともなんて不自然)
重たい物を引きずる音が、扉越しに聞こえる。なんにせよ、部屋に入ればわかることだ。
女は、人差し指を太ももに突き刺すようにトントンと叩きながら、待った。
「こちらです」
ようやく扉が開かれ、金髪の少女がメイドのような仕草で女を招き入れた。
(この子は、確かメイド喫茶で働いていたとか言っていたな。は、意外なところで役立ったようね。悪くないわ)