旅の醍醐味~見知らぬ人と睦ぶ~#睦ぶ
文字数 428文字
声をかけようか迷っていた。明石海峡大橋の袂で自撮りしている女性。同世代でひとり旅とみた。ひとこと「撮りましょうか」と声をかけ、その流れで自分も一枚撮ってもらおうかと目論む。
九月の舞子浜。穏やかな海に淡路島へと架かる雄大な橋。土地と土地を結ぼうとした人の尊さを感じる風景。
自由気ままなひとり旅も時には、訪れた風景の中に自分も映りこんだ写真が欲しくなる。だけど自撮りは苦手で人見知り。
でも行こう。勇気をだして。
話しかけると返ってきたのは日本語ではなかった。ああ。
それでも察したようでスマホを渡され、その後無事に私も撮ってもらい別れる。どっと疲れた。
舞子海上プロムナードを見物していると先ほどの女性がいた。団体の中に。ひとり旅じゃなかったんだ、と恥ずかしくなる。彼女が私に気付いて手を振り、輪から抜け出して歩いてきた。笑顔で私のスマホをとって構えたものだから思わず笑ってピースサインでポーズした。
※初出:2020/11 2020旅する日本語入賞作品
九月の舞子浜。穏やかな海に淡路島へと架かる雄大な橋。土地と土地を結ぼうとした人の尊さを感じる風景。
自由気ままなひとり旅も時には、訪れた風景の中に自分も映りこんだ写真が欲しくなる。だけど自撮りは苦手で人見知り。
でも行こう。勇気をだして。
話しかけると返ってきたのは日本語ではなかった。ああ。
それでも察したようでスマホを渡され、その後無事に私も撮ってもらい別れる。どっと疲れた。
舞子海上プロムナードを見物していると先ほどの女性がいた。団体の中に。ひとり旅じゃなかったんだ、と恥ずかしくなる。彼女が私に気付いて手を振り、輪から抜け出して歩いてきた。笑顔で私のスマホをとって構えたものだから思わず笑ってピースサインでポーズした。
※初出:2020/11 2020旅する日本語入賞作品