第46話 川辺のダンボール2

文字数 522文字

 で、今。
 俺は蓼科とかいうところにいる。もちろん、高原学校でやってきた。
 便所に変な虫がいっぱいいるし、メシはマズいしで全然いいことがない。
 だからもう、エロを探すしかなかった。

 夕食前の自由時間に、泊まる部屋が一緒の行動班のメンバーを誘って外に出た。
 スマホの地図アプリを頼りに、最寄りの川を探す。
 そんなに遠くないところにショボい小川があるようなので、そこへ向かった。

 5分もかからず、どこまでが川岸でどこからが川なのかよくわからない、草ボーボーの川に着いた。
 着いたと同時に白いダンボールを発見した。
 世の中にはきっとエロの妖精がいて、校外学習に来た生徒のためにエロい物を用意してくれているのかもしれない。
 エロのサンタクロースという線もあるか。

 箱に駆け寄りながら、本だといいなと思った。
 せっかく見つけたのに、その場で見られずお預けを食うなんて癪だ。

 箱を開くとき、メンバーから「おおっ」と声が上がった。
 入っていたのはDVDだった。
 俺はその瞬間ガッカリしたが、メンバーの発したひと言で有頂天になった。

「ポータブルDVDプレイヤー、持ってんぞ」

 とりあえず俺らは、全部で15本くらいのDVDを服の下に隠して宿泊施設まで持ち帰った。
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