第1話 こうして家事代行業がレンタル執事と相成った
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背が高く、細身で真面目そうな容姿。加えオーダーメイドスーツ、アスコットタイ、ラペルピン、カフス等の装飾品も完備。
そうして、執事第一号は経費0で誕生した。
ただ、物品は安物で充分と思っていた社長に対して秋は物申す。
成功を収めた店は調度品や服装――世界観に拘っていると。
調理高校を卒業、調理師の資格あり。その後、製菓専門学校へ。
しかし、ケーキ屋での職務経験はなし。レストラン、バー、紅茶専門店と転々し――一番長いのはブライダルスタッフ。
三十歳になるまで、ほぼ非正規アルバイト。
仮にも家事代行スタッフ。
その辺りは社長のほうが上手だった。
実際、家事代行を高価だと誤解していた層に飛び込み営業を仕掛け、軌道に乗せた経験もある。