(二)

文字数 207文字

 もともと父は、大手都市銀行の銀行員だった。法人営業一筋であったと聞いていた。三〇代半ばで崎玉県川居町を中心に展開しているグループ企業の川居信用金庫に出向となった。それ以来ずっとこの信金に勤めてきた。一時は副頭取にまで上り詰めたものの「現場の仕事がしたい」と社長に直訴し、四年前から川居駅前支店に異動させてもらい、勤めていたのだった。そんな中で父が倒れ、副支店長の小渕さんが父の自宅に連絡してきたのだった。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み