【ネタバレ注意】ラストについて

文字数 905文字

 今回の事件のベースには、児童虐待という社会問題があります。

 別に、養子縁組イコールという意味ではないです。実親によるものが多いのが現実です。
 佐和子さんの養父母は、心から佐和子さんを愛してくれたし、佐和子さん自身が語っているように、血のつながり以上の絆が結ばれていました。

 けれど、佐和子さんは希和子さんを切り捨てられません。
 双子の神秘、とかではなく、ifの自分として捉えてしまったからかもしれません。

 希和子さんは、直接大きな被害にあったのは成人後でしたが、小さな性的虐待を受けてきました。

 児童虐待の被害者は、児童でなくてもDVなどの被害者は、自分が虐待を受けるのは、自分に落ち度があるから、と考えてしまう事例が多いようです。
 なので、被害にあっても、声を挙げられない。

 希和子さんの養父は、別に希和子さんを疎んじていたわけではない、逆に溺愛していました。
 ただし、自分の所有物、という認識もあったのでしょう。歪んだ愛情が、今回の悲劇に繋がりました。

 ……真面目に語り始めると、どんどん深みにハマっていくので、このくらいにしておきますね。

 
 佐和子さんは、ハルくんと両思いだったのか、という謎が残っていますが、答えはYESと言えばYES、NOといえばNOです。
 佐和子さんにとっては、ハルくんへの思いは、聖域、禁猟区です。いわゆる俗な恋愛感情とは隔絶したいもの。夫への愛情とは別次元のもの。
 ハルくんに本気で愛情を感じている、というよりは、自分の理想の愛の具現化がハルくん、なのであって、手に入れようとしても(現実で愛し合おうとしても)壊れるだけだという認識をしてます、本能的に。

 あと、佐和子さんの幸せの価値観からすると、夫と子供を捨てて10歳も年下のハルくんとの恋愛関係にのめり込むのは忌避することなので、セーブしてしまっているのかな、と思います。

 自分で書いてて何だけど、理性が勝っていて動かしづらいキャラでした。
 なんで登場させたんだろ(笑)


 以上で小話おわり。

 続編は登場の機会がほぼなかった、次男・キリくんメインになる予定です。

 またお読みいただけるよう、精進して参ります。


 おわり。
 
 
 
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登場人物紹介

土岐田暎比古(トキタ・テルヒコ) 38歳

4人の子持ちのスーパーイクメンにして

街でウワサの超イケメン

天国の愛妻・美晴さんに愛を捧げつつ

可愛い子供達の養育に励む

明知探偵事務所の調査員(注・あまり勤勉とは言えないが勤続20年)

霊感は強いが除霊とかできない……「霊視」に特化している


土岐田晴比古(トキタ・ハルヒコ) 20歳

本編のもう一人の主人公

看護学生 3年生 通称・ハル

父・暎比古さんの愛情を目一杯受けつつ(最近は内心複雑)

弟妹へ愛を注ぐ心優しいお兄ちゃん

母・美晴さんから引き継がれた、ある「力」を有するが……


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