続・この差は何だ
文字数 903文字
さっきのシーンの続き。
誰より速くダッシュして平家ファミリーの楽屋前に到達した九郎義経、中をのぞいて、
義経「やばっ」
ドアの前に立ちはだかる。
義経「いまちょっと入れない雰囲気」
全員「えー?」(がっかり)
頼朝「なんで?」
源氏ブラザーズがそっと中をのぞくと、
平家ファミリー、みな静かに座って、墨をすったり筆をうごかしたりしている。
義経がドアの上の貼り紙を指さす。
「写経中につきお静かに願います」
源氏ブラザーズ(平家納経……!)
【解説・へいけのうきょう】
平清盛をはじめ、平家一門の人々が一巻ずつ書写して厳島神社に奉納した経典群。
各巻とも金銀の優美な金具で飾られた表紙に、経の大意を描いた美しい見返し絵をつけ、料紙は表裏とも金銀の切り箔を撒くなど意匠をこらしてある。また、水晶の軸に金銀の装飾金具をつけ、
(「ホットライン教育ひろしま」より抜粋)
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/bunkazai/bunkazai-data-101020010.html
源氏ブラザーズ(ま……眩しい……)
と、そのとき、楽屋のドアが開いて、平
※平家ファミリー屈指の美少年。知盛の従弟
敦盛「(にこにこ)皆さんおそろいでどうしたの?」
源氏ブラザーズ「いやその」(へどもど)
敦盛「(小声で)もうすぐ休憩だから待ってて。そしたら中入れるから」
義経「中入っていいの」
敦盛「もちろん」
敦盛「(にこにこ)ぼくは自分のぶん書き終わって遊んでたし」
義経「はや」
敦盛「『あつまれどうぶつの森』やってた」
義経「うそ」
敦盛「(にこにこ)あつもりだけにあつ森」
源氏ブラザーズ「……」
敦盛「(小声で)ごめんね廊下で待たせて。あ、そうだ、ピノ持ってきてあげる」(去る)
源氏ブラザーズ「……」
源氏ブラザーズ(なんでこの人たち滅ぼしちゃったんだろう……(涙))
義経「(ぽつりと)おれ敦盛さんに笛習いたい」
義平「そだねー」