詩小説『凪のレコード』3分の音楽。恋をしている人へ。

エピソード文字数 506文字

凪のレコード

この珈琲が冷めないうちに、
迎えに来て。

湯気立つ香りに、
グラスを拭くマスター。

待ち合わせ場所は、いつもの喫茶。
砂糖を溶かし、店内ラジオに耳澄ませば。

約束の時間告げる、からくり時計は、
踊り出す。

宝の持ち腐れよね、
紙袋に眠らせてた、煌めく円盤は。

あなたが針を落としたせいね。
今、音楽は鳴り始める。

廻ることをやめないで。
凪のレコードは淡い色。

まだ、鳴り止まない音楽。

この本を読み終えたらきっと、
打ち明けるの。

夕映えの図書室。静かな放課後。
光差すグランド。誰も居ない椅子へ。

古本の匂い、日焼けした貸出カード。
ブラスバンドのチューニング遠く。

想い描いた結末すら、越える物語。
最後のページを捲った。

ボタンの掛け違え、
気づくのが遅すぎたのね。
襟元から掛け直し。

サイズ違いの歯車で近づき、
気持ち揃えたなら、噛み合い。
ゆっくりと動き始めるはず。

宝の持ち腐れよね、
紙袋に眠らせてた、煌めく円盤は。

あなたが針を落としたせいね。
今、音楽は鳴り始める。

廻ることをやめないで。
凪のレコードは淡い色。

まだ、鳴り止まない音楽。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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