今宵、ホテルのバーで謎解きを 『最強のセキュリティー』編
文字数 677文字
そんな大袈裟なものではないですよ。
お客さまとお話をしながら、きょうはこんな気分のカクテルはどうかなって、お出しすることがあるんです。
酒を楽しく飲むには話し相手がいないことにはね。
近ごろ流行りのガールズバーならぬボーイズバーですかな。
あ、いや失礼。こんな高級ホテルでそれはないか。
詮索はあるでしょ。
きれいで色気のある女がひとり、そっとしておいてっていう雰囲気でいたら、ねぇ。
俺だったらたまらなくなって声をかけたくなるけど、バーテンはそういうわけにはいかないよね。
若い女性がおひとりで気兼ねなく時を過ごすには、ここは最適です。
だから、ここだけの話しにしておいてくださいね。
想像をすることはありますよ、尋ねはしませんがね。
とんでもない。
確認していないのですから、たんなる空想です。
人を見る目があるわけじゃないですよ。
俺はどんなふうに見られているのかな。
世界を飛び回る商社マンには見えてないよね。
たいそうなもんじゃないよ。
だけど目利きは必要だ。
俺は多くの物を持ち歩きたくはないし、偽物をつかまされたくもない。
おのおの業界でみなプライドを持ってやってるものさ
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