何も起こらなければ、それが一番いい
文字数 1,827文字
前回の反省を活かし、あからさまに目立って、浮いてしまわないよう、格好には配慮する。
銀縁の眼鏡を掛け、タイトなスカートにジャケット姿の
だが、そんな大人しめの風貌にしてみても、レジェンド級サキュバスの、にじみ出るエロスは隠し切れないらしい。
転校を考えている子供と親が、学校を見学に来たという設定で、学校に入り込んだ
例の少女を担任する先生と、廊下ですれ違う。
顔をまじまじと見つめる
目が合った瞬間、
わずか一瞬のことではあったが、愛倫 の目的、その一つ目は遂行された。
同じように廊下で、例の問題になっている少女とすれ違う。
先生の時と同じように、愛倫 は声をかけたが、例の少女は、そちらを見ようともしない。
このままでは、計画が失敗してしまう。
とにかく、目と目を合わせる必要があるのだ。
そこで、リリアンは機転を利かせた。
質問されれば、少女もこちらを見ざる得ず、
やはり、互いの目が合った瞬間、
それ以外は、一切何もしていない。
しかし、少女はその日の内に、児童相談所に保護されることになる。
ただ学校の先生には、少女にそう聞くように催眠をかけ
少女には、本当のことを話す勇気が持てるように、少女の勇気を増幅させるような催眠をかけただけ。
無理矢理、少女に告白させるような催眠をかけた訳でもなく。
つまり、本当に何もなければ何も起こらず、
夜遅く、喫茶『カミスギ』のカウンターに座り、