10.イズミ先生
文字数 1,301文字
僕が山科さんに対して負い目を感じているものだから、つい口に出てしまった。山科さんに高卒認定試験を受けたらと勧めておきながら、僕はおチビちゃんたちの面倒見に追われて、ろくすっぽ山科さんの勉強を見てあげていない。
そこに、同じ17歳の田之上さんも入ってきた。高校生にふさわしい学習指導をどうしたらいいか悩んでいたんだ。
ミツキが小声でアオイに尋ねる。
見た感じは変な人じゃなさそうだったけど。
それに、太一先生とあのイズミって人の間では、もう、話がついてるわけだろ。
あたしは、太一先生の顔を立てるという意味で、一応オーケーかな。