スーパージンライ

文字数 3,041文字


【スーパージンライ】
登場作品:
『トランスフォーマー 超神マスターフォース』
作品DATA:1988.04.12~1989.03.07/日本テレビ系列/全47話
名前:ジンライ(海外名:オプティマスプライム)
所属:サイバトロン(海外名:オートボット)
種別:ゴッドマスター(海外名:パワーマスター)
役割:総司令官(日本版四代目)
変形:コンボイトレーラー
性格:冷静沈着/理知的
特徴:トランスフォーム/マトリクス
必殺技:〝超魂ファイヤーガッツ〟 etc……
CV:竹村拓

備考:
 日本展開に於けるサイバトロン四代目総司令官。
 アメリカでトラック運転手をしていた日本人青年〝ジンライ〟が強化服形態〈マスターフォース〉に変身し、愛車のラジエーター部へ「トランスフォーム・ゴッドオン!」と合体する事で、彼の魂がマシン全体に融合してロボット形態に変形(変身)。
 更に後部コンテナと「ダブルオン!」と巨大合体する事で〈スーパージンライ〉となる。
 後半では強化戦士〈ゴッドボンバー〉が開発され、コレと〈超神合体〉する事で最強戦士〈ゴッドジンライ〉になった。
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【考察論】

 オープニングで「え? コンボイ復活するの?」と驚喜&期待を抱かせながらヤキモキさせた挙げ句、登場したら別人だったwww
 しかも初登場は第12話からと引っ張りに引っ張りまくった……主役ロボが1クール未登場って『ダン ● ードA』かッ!

 コンボイ司令官に瓜二つなのも当然で、そもそも海外では〈パワーマスター・オプティマスプライム〉──つまり〝強化復活したコンボイ司令官〟であり、それを日本国内で別人として販売展開したキャラクターです。




【海外設定:パワーマスター】
 パートナーであるサイボーグ〈パワーマスター〉がエンジンに変形して合体する事で爆発的なエネルギー供給を可能としたトランスフォーマー。
 有機生命体である彼等はロボット生命体〈トランスフォーマー〉よりもエネルギー自給性に長けており、その性質を共生転化したシステムである(ただし、彼等の摂食量は異常な暴食レベルに跳ね上がってしまう)。

 玩具的には強固なロック機構によって変形が不可能となっており、付属のマスター戦士が合体する事でロック解除されて変形可能となるギミック。

 ちなみに、オプティマスプライムのパートナーは〈Hi-Q〉という高齢パワーマスター(WJのバレーボール漫画じゃないぞ?w)。
 言うまでもなく『Hi(高度)』と『IQ(知能指数)』の掛詞ではありますが、オプティマスプライムのキャラクター性には沿っています。

 尚、日本に於ける後続作品『トランスフォーマーZ』で登場する〈パワードマスター〉とは全く無関係な別物です。



【日本設定:ゴッドマスター】
 この世界には
〈天超魂(宇宙エネルギー)〉
〈地超魂(惑星エネルギー)〉
〈人超魂(人間だけが宿す生命エネルギー)〉
 が存在し、従来のトランスフォーマーは〈天超魂〉〈地超魂〉しか得られなかった(いきなりオカルトw)。
 しかし、人間自身が変身した〈ゴッドマスター〉は総ての〈超魂パワー〉を備えており、その超能力性質を発揮するが故に〝最強のトランスフォーマー〟という位置付けにされている。

 各〈ゴッドマスター〉は、愛機たる乗り物〈トランステクター〉に導かれて黄金の腕輪〈ゴッドマスターブレス〉を授かる(コレをはめると決して外れない)。
 この〈ゴッドマスターブレス〉を胸元で交差し「マスターフォース!」と叫ぶと、強化服形態〈ゴッドマスター〉へと変身(実際には〈強化服〉ではなく、半金属半有機体へと変質した姿)。
 そして、魂の結晶体〈アイアコーン(エンジン形態の事)〉へと変形し〈トランステクター〉へ「ゴッドオン!」と合体すると、マシン全身に魂が融合憑依してロボット形態へと変形(変身?)する。
 この〈トランステクター〉には〝意思〟らしきものが内在しているみたいですが、自発的に喋ったり能動的反応は見せません。
 ただし驚異的な再生能力を備え、スクラップ同然になっても瞬時に修復してしまいます。
 早い話、ホラー映画『クリスティーン』な乗り物に合体して〈トランスフォーマー〉へと変身する上に〈六神合体ゴッドマーズ〉も真っ青な超能力を発揮する超常現象型ロボットなのです。

 ロボットコンセプト的には、後の『勇者指令ダグオン』の直系的ルーツですが〈ゴッドマスター〉の方はオカルト性質が濃いので、たぶん〈ダグオン〉よりも強い事でしょう。
 ……でも、もはや『トランスフォーマー』ではないwww




【商業展開】
 玩具の出来は当時としては比較的良く、コンボイ似の容姿(というかコンボイ本人w)という事もあって、売上低迷の予兆が見え始めた『トランスフォーマー』としては久々のスマッシュ商品として売れました。

 実は海外と日本では素材仕様に一部変更が為され、海外版がオールプラ製なのに対して、日本版はキャブ前面部を金属製に成形し直しています。
 これは肝である〈マスター戦士合体ギミック〉に於いて『ガッチリとハマって手で外し辛い&合体後は固定され難く勝手に外れてしまう』という弱点をフォローする為と言われていますが、おそらく後述〈ゴッドボンバー〉との合体を見越した下準備処置とも勘繰れます。
 同時に、日本のロボット玩具事情に於けるマストな魅力『超合金的なゴージャス感』も結果論ながらに得ました。
 いずれにせよ、日本での後発販売事情が初めて利点と機能した珍しい例と言えるでしょう。

 玩具市場的には前作『ザ★ヘッドマスターズ』からバンダイの『スーパー戦隊』とは真っ向ライバル関係であり、本作時は『超獣戦隊ライブマン』の〈ライブロボ〉を売上競争相手に据えていました。
 この『ライブマン』ではシリーズ初となる『1号ロボ+2号ロボ=スーパー化』という合体システムを導入。
 その為〈スーパージンライ〉も追加戦士〈ゴッドボンバー〉を販売して同商法をパク……コホン……参考にする流れとなりました。
 両ロボットの合体システムも『胴体装甲&籠手&下駄履き』と、ほぼ同じ構成となっています(とは言え、各社の技術ノウハウ差が反映されているので、パーツ固定等のシステム面では異なる)。
 2号ロボ〈ゴッドボンバー〉と〈ライブボクサー〉の販売時期は、ほぼ同時タイミング(急造商品の〈ゴッドボンバー〉が半月~1ヶ月遅れた)。
 当然、クリスマス商戦は〈スーパーライブロボ〉vs〈ゴッドジンライ〉の図式と化しました。
 しかし、御承知のように本来〈スーパージンライ〉は〈オプティマスプライム〉として海外主導で開発された玩具なので、そもそもが〈ライブロボ〉を対抗意識した合体構造ではありません。
 明らかに付け焼き刃な後追い処理であり、その為〈ゴッドボンバー〉には『初期発表型とデザインが大きく異なる』『価格低設定化の為に、販売版は構造が簡素化された』等の試行錯誤の流れが窺えました。
 とは言え、急造追加ながらも合体システムはガッチリとした安定感にあり、タカラの技術力の高さを立証したのも事実です(『キャラクター商法のバンダイ/技術力&発想力のタカラ』とは、当時のTFオタのプチ標語w)。

 尚、次回作『トランスフォーマーV』及び『勇者シリーズ』では、こうした商戦を見越して、主役メカには2号ロボとの合体接続部が最初から設けられるようになりました。
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