Against (5区 3km-4km)
文字数 1,837文字
立花監督:
はい、蓮李ー、3キロ通過9分50秒ー。
1キロごとはー、
3分14、17、19で来たー。
いいよ、先は長いからねー、
しばらくペースはこれぐらいで行こう。
3分20…、3分20…、ね、
そういうイメージで。
いいか、2区の心枝もー、
今日凄くいい走りできたからねー。
アドバイスありがとうなー。
いま後ろがー、神宮寺、松永、の順で、
だいたい55秒から60秒ぐらい。
頑張ってきて良かったな。
いいか、みーんながリード作って
渡してくれたぞ。
次は蓮李ー、お前の番だ。
よーし! 頑張って行くぞ!
先頭の二神蓮李はすでに
この長い直線道路に入りました。
先ほどの3区のコースの直線道路を
いわゆるちょうど折り返す形で
走っています。
3キロの通過が、手元の時計で
9分50秒前後でした。
9分50秒というのは、去年、
神宮寺エリカが区間賞を獲得した、
その時の通過と全く同じタイム。
まずは序盤、順調な滑り出しです。
あのー、松永の場合は、
日本インカレの5000mで優勝。
それから一昨年の夏に、
学生のオリンピック、
ユニーバーシアードの
ハーフマラソンでも
金メダルを獲得してますから、
スピードもスタミナも
兼ね備えている選手ですよね。
松田:
ユニバでは今年なんかも、
ネモフィラ大の市川さんが
メダルを獲っていますけど、
ちょっと意味合いが違って、
もっと年齢や経験が上の選手達も
混ざっていますから、
その中で日本の高校出てすぐの
20歳かそこらの選手が、
世界相手に勝負できるっていうのは
誇っていいことだと思います。
松田:
本人は以前からアメリカでのトレーニングを希望していた
そうなんですが、
父親でもある神宮寺監督から、
少なくとも二十歳になるまでは
負荷の強いトレーニングは駄目だ
っていう風に言われていて、
今年ようやく二十歳になって
実現したみたいですよ。
松田:
1万m30分台、5千m14分台っていう物凄く高い目標を、
現実的に考えている人で。
将来マラソンで活躍するためには、
25歳位まではスピードを
磨いておかないといけないから、
っていう風に常に目標から
逆算して考えているみたいですね。