1_プロット

文字数 1,037文字

「大流星群の子ら」プロット
起)窓の外は豪雨だった。主人公の小学四年生のなおは、自室である屋根裏部屋から雨雲を見上げていた。なおは少し悩みがちで人よりちょっとだけ責任感が強く、活動的な普通の女の子だ。その日は流星群で、晴れていたら流れ星が見えるはずだった。なおが空を見ていると二つの流星が衝突する。家の近くに落ちた星を探すと、不思議な石を見つける。それは木とガラスが融合したような、ウッドレジンそっくりの石だった。

承)数日後、なおが石をスマホにくっつけたとき、勝手にメッセージが表示される。「きみは同じスペースにいるのかしら?」まばたきすると男の子がなおを覗き込んでいた。「不思議な話をするにはこのかっこうであっているかしら」同い年くらいの、宇宙色の目をした美形の男の子はそう言うと、自分を宇宙に帰してくれと頼んできた。「故郷の宇宙にいないと安心できないの」なおは彼を母親から隠して、一緒に暮らすことにする。男の子はヒューンと名乗った。なおはヒューンが帰る方法を探すこととなる。

転)哲学的なヒューンになおは翻弄される。「なおは目をつぶったらぼくの前からいなくなる、つまりその時、なおは宇宙からいなくなっているのかな。さみしいよ」なおは、ヒューンの不思議な言葉に悩みながら、手がかりとなりそうな科学博物館や宇宙研究所を巡る。別の日には、アイスクリーム屋に擬態する宇宙人に遭遇したり、ヒューンといるところを同級生に見られて騒動を起こしたりする。最後には、住んでいる街の古い言い伝えから「宇宙がある場所を知れば、流星群の子らはどこへでも行ける」とわかる。しかし宇宙がある場所とは空の向こうで良いのか。なおとヒューンは仲良くなっており、お互いに離れがたく思っていた。

結)なおはヒューンに意を決して、科学雑誌を手に言う。「宇宙はもしかしたらパソコンのなかにもあるのかも。私たちの宇宙もあなたの宇宙も、電気の火花に過ぎないのかもしれない」ヒューンは残念そうに笑った。「夢のなかの人は夢を見ていることに気がつけないのに似ているね」宇宙の場所を知り、PCの画面を通って去ろうとするヒューンをなおは呼び止める。手には科学雑誌の別の号を持っている。「脳と宇宙の組織も似ているらしい。皆の脳にも宇宙はあるのかも」どちらが良いか問うなおに、ヒューンは声を弾ませた。「いいのかい?」「少し静かにしてくれるなら」次の日なおの母親は、脳を使っているからお腹が減ったと、たくさん食べるなおを不思議がっていた。
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