第6話
文字数 318文字
その女のお客はエリ、と名乗った。エリとあたしは下着だけつけて、ベットの縁に腰掛けて、少し話した。エリはあたしの見るところ年齢不詳で、でも三十はいってそうで、ずいぶん年上だけれど、でもあたしはその女の人のことをエリ、と呼んだ。エリもそう呼ばれることを嫌がらなかった。
エリとあたしは仲の良い親子か、姉妹のように話した。エリはあたしの体をほめた。ほっそりとした、中性的な体だと言った。あたしの性格をほめた。型にはまらない、極めて破滅的な性格だと。「破滅するつもりはないのだけれど。一応、自己保存の本能はあるし」「周囲が破滅するってことよ」「それもやだなあ」「嫌な事なんて、世の中にいっぱいあるわよ」そう言ってエリはとても得意げに笑うのだった。
エリとあたしは仲の良い親子か、姉妹のように話した。エリはあたしの体をほめた。ほっそりとした、中性的な体だと言った。あたしの性格をほめた。型にはまらない、極めて破滅的な性格だと。「破滅するつもりはないのだけれど。一応、自己保存の本能はあるし」「周囲が破滅するってことよ」「それもやだなあ」「嫌な事なんて、世の中にいっぱいあるわよ」そう言ってエリはとても得意げに笑うのだった。