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文字数 700文字

 久しぶりに、白木のアパートに集まって、谷本と眠と僕と白木で酒を飲んだ。
 獣のようなOLの声はここ一ヶ月くらい聞こえてないらしい。
 夜毎その声に悩まされて悶々とし睡眠不足に陥っていた白木にとっては、平穏な日々がしばらく続いているとのこと。
「最近、同室の先輩がしょっちゅう女を連れこんでよ、オレん寝よったら二段ベッドの上でやりまくるけん、やっちょれんぜよ」
 と谷本がうれしそうに話した。
 眠は、この前下級生達三人と、女風呂を覗いていて、足を滑らせて天井に穴をあけてしまい、覗きがばれたが、何とか内々にすませてもらったと、苦笑した。多分オヤジが県会議員だから、オヤジのはからいで処分を受けずに済んだのだろう。
「オレこの前、川村の授業を受けよったら、川村んオレの席の横通る時、ここ、セブンスターくさいゆうてよ、オレだけに放課後職員室に来なさいってゆうがやけん、やられたちや」
 と眠がハイライトを吸いながら苦々しく言った。
 川村とは化学を教えている三十半ばのハイミスで、お世辞にも綺麗と言えない気分屋の女だった。
「職員室に行ったら、今度は隣の面談室みたいなところに連れていかれち、タバコのことは許しちゃうけん、今度私と食事に行かんゆうて言われちよ、本当ぞっとしたけんにや」
 と眠は今でも思い出したら寒気がすると言う風に、体をブルブル震わせる真似をした。
「そりゃ眠、蜘蛛の巣ん張った川村の処女膜貫通さしたら、おまえは化学がいっきに五になるぞ」
 と谷本が言った。
「ばかゆうなちや、チンボが腐ってしまうろう」
 眠が向きになって言う。
「ああいう女は、結構何の時はええかもわからんぞ」
 と僕も面白がって眠をからかった。

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