ハロウィンナイトカフェ
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zenone
喫茶エブリシングの、店の外。ハロウィンのにぎわいを前に、男子大学生が二人、立ち話をしていました。暖色系のチュニックに黒のジーンズを身に着けた青年が、連れの髪の長くて眼鏡をかけた男に話しかけます。
新渡戸(にとべ)と呼ばれた男子は、呆気に取られて連れの男の顔を眺めました。
いかにも、俺はお姉さんが好きだ。
目が細くて、猫っぽい雰囲気があって、髪が長くて、やさしい話し方をする保育士のお姉さんが好きだ。
あっ、でも関西弁使うってのもギャップがあって良いかも……
なんの話だっけ? おう、それでな、思ったのよ。
そういうお姉さんとお近づきになるには、子供と仲良くなればいいんじゃないかってな!
新渡戸くんは頭をポリポリとかきました。しかし夏目くんは怯むことなく、新渡戸くんに尋ねました。
子供を眺めてって、そんなん飽きちゃうだろ。
あっ、子供って危なっかしいから目を離すなってことか?
夏目くんは筋金入りのバカでした。
まず子供と言っても具体的に何歳かが問題になる。
俺好みの10~12歳くらいだと第二次性徴の始まる前、成長期によるスレンダーなボディが魅力!
日焼けしていて太ももが真っ直ぐだとなお良し!
にじせいちょう?
何言ってるんだか分からないけど、すげえ気迫だ!
しかし! お前が狙いたいのは保育園児!
イカ腹体型がぷりちーなのは認めるが、上級者でなければ園児に恋するのは難しい!
シャラップ!
俺も園児に興味はないが、愛する友のため!
ロリコンのなんたるかを叩き込んでやろう!
見ろ! ちょうど保育園児が黒いマントを着て大量に歩いてきた。
ハロウィンパレードさまさまだな!
そう。このハロウィンパレードには地元保育園も参加しており、保育士の先生に引率されて子供たちが歩いてきたのでした。
口々に「トリック・オア・トリート」と言っていますが、うまく発音できていません。
その中のひとりに目を留めて、夏目くんの目がハート型になりました。
おお……こんなにも早くロリの良さを分かってくれるとは。
それじゃあ、せーの、で声をかけるぞ。
いきなり声かけるからハロウィンなんだろうが。
今日だけは何でもアリなんだ、思い切って行くぞ!
いいか。せーの、でトリック・オア・トリートだぞ。
せーの!
もう、誰かと思えば同じアパートの夏目くんじゃない。
それを言うならトリック・オア・トリートでしょう。
ぐふふ、お嬢ちゃん、お菓子が欲しいざんしょ?
拙者が上げるでござるよ。
いやだよォ~ん! 俺はそこのレディたちとハッピーなハロウィンを過ごすんだよォ。
怒鳴り合う二人をよそに、夏目くんはズボンのポケットからスマホを出すと、110をプッシュしました。
それから五分後。ハロウィンの混雑を見越してパトロールしていた警察官が駆け付け、変質者は無事逮捕されました。
離せ、国家権力の犬め!
俺と幼女のハッピータイムを邪魔させはせんぞォ!
なんと大胆な夏目くんの告白。その言葉に、福沢先生の顔は真っ赤になったのでした。
了
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ウエイトレス喫茶店「エブリシング」の店員。