第5話(6)

エピソード文字数 1,048文字

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!」

 彼の全身を白金色の煙が包み込み、その煙は変質。丸い形状と独特の光沢を併せ持つ、白金の繭になった。

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! ぁぁぁぁぁっ! ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!

 声の質が変わると繭にも変化が現れ、縦に亀裂が入り光が漏れ出す。そしてそのヒビが縦断を完了すると、繭が割れて眩い光線が飛び出した。

「くっ、なんだよっ。眩しいじゃねーか……っ」
「ああああああああああああああああっ! あああああああああああああっっ!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!

 眩しいのに優しさを感じる光が辺りを支配し、ソレはほどなく鎮静。たまらず下ろしていた両瞼を上げると――皮膚、髪、眼球までもが白金色になった、神蔵王器さんが仁王立ちしていた。

「な、なんなの、あれは……。変身、した……?」

 シズナは目を見開き、驚いて集中力が切れた体を装い『ドレイン・ボール』と『ストップ・シャドウ』を消す。
 決勝戦が半八百長と発覚したら、運営さんに叱られちゃうからね。こうやって神蔵さんに『全次元のチャンピオンが、驚いたくらいで集中力を切らすか? あれれ?』と思わせ、そこへ隙を見て逃げ出した魅条さんが駆け寄り事情を伝えるのだ。

「にゅ、にゅむーむ……。どなっているのー……?」
「ワシも、分かんらんぜよお。何がどうなったがやろう……?」

 それは、こっちが聞きたい。何がどうなったら、あれだけ練習したのに棒読みできるのだろう。

「神蔵、さんなのよね……? なんなのかしら……?」
「ワケわかんねー。あの野郎、どうなったんだ――」
「隙が出来た! これならっ」

 頃合いを見計らい、魅条さんが予定通り逃走する。
 よっしよっし。あとはコソッと説明をして、二人が負ければハッピーエンドだ。

「王器様っ! 王器様っ!」

 愛する人の名を叫びながら、神殿フィールドを駆ける。
 皆さん。感動の再会まで、あと5メートルですよ。

「貴男のおかげで、脱出できました! 貴男を信じてよかったです!」

 再会まで、あと4メートル。3メートル。2メートル。1メートル。

「王器様っ。魅条魅里、帰って参りました――」
「魅里ちゃんを傷付ける者は、許さない!!
 ドゴッ!

 王器様は魅里ちゃんにキックをぶちかまし、魅里ちゃんは遥か彼方に飛んでった。
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登場人物紹介

黒真レミア 16歳の少女


魔王、でありながら伝説の勇者の能力を持つ。冷徹でクールな容姿と声音を持つ美少女だが、性格はほわほわでお子ちゃま。『にゅむ』という独特な言葉を多用し、時にはにゅむのみで会話を行おうとする。例「にゅむーむ。にゅむ。にゅむりん」。

なお愛用の武器である聖剣は魔王の天敵であるため、使うと痺れる。

金堂フュル 16歳の少女


伝説の勇者、でありながら伝説の魔法使いの能力を持つ。元気一杯の猫っぽい女の子で、高知県の英雄・坂本竜馬の大ファン。そのせいで『ぜよ』と中途半端に覚えた土佐弁を使い、主人公のことは『師匠』、仲間のことは名前のあとに『先生』とつけて呼ぶ(例えばレミアの場合はレミア先生)。

なかなかにおバカな女の子。

虹橋シズナ 17歳の少女


伝説の魔法使い、でありながら魔王の能力を持つ。大和撫子然とした容姿を持つ美少女であり、主人公の義理の従妹。

重度の怒られ好き。

とにかく変で厄介で面倒くさい人。

茶操ユニ 18歳の少女


伝説のドールマスター、でありながら伝説のプリーストの力を持つ。キグルミ族という一族の人間で、閉園したテーマパークのキャラクター・二足歩行ウサギの着ぐるみを着ている。口癖は、ミョン。

実はお笑いにうるさく、親戚は某有名人。

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