第22話 本当に恋愛マスターなの?
文字数 1,968文字
夕飯はファーストフードのお店に入った。
女子達は色々料理の写真をスマホで喜びながら撮っている。
冬月さんが愛に言った。
冬月さんに言われた通り、愛が席に座る。
言われた通り、俺が座ると愛と俺は隣になる。
愛とめちゃくちゃ近い距離となり、冬月さんは写真を撮ると、俺と愛に送ってよこした。
lovelyとか文字付きで…
(冬月さん…あからさまだよ…それはダメだよ…)
その後も、終始夕飯中にあからさまな感じで俺と愛に何かさせようとする冬月さん…
神谷、明、酒井さんは完全に苦笑いだった…
夕飯を食べ終えると、ホラー系に行こうということになった。
お化け屋敷みたいなホラー系のアトラクションへ並ぶ。
ここでも冬月さんは奇怪な行動に出た…
今日の班行動のアトラクションのペアは愛と神谷、俺と冬月さん、明と酒井さんと決まっているはずなのに、しきりに愛と交換しようとしていた…
もちろん、そんなことをしようとすれば酒井さんもずるいと騒ぎ出すわけで…
勝手なペアチェンジが行われて、酒井さんと神谷、愛と俺、冬月さんと明のペアになった…
(有り難いけど冬月さん…これじゃあ、あからさますぎだよ…)
酒井さんは神谷に一生懸命並んで待ってる間に話しかけている。
明と冬月さんはお互いぎこちないけど、話をしている。
俺は愛に話かけた。
冬月さんの行動はあからさまだったけど、このアトラクションで怖がりな愛とペアになれたのは、冬月さんに感謝したほうがいいかもしれない。
なんて思ったのは中に入るまでだった…
中に入ると、薄暗くいかにもな雰囲気…
ちょっと歩くと、愛はビビって俺にしがみついてきた…
(冬月さん…ありがとう…)
そう思いながら進む。
ちょっと進むとまた驚かすような場面で、半べそになった愛が言った。
(なんて、いい提案なんだ。吊り橋効果ってやつも期待できるかもしれない。)
そして、俺達は手をつないで、歩き出してちょっとすると、後ろが騒がしい感じがしたと思ったら、冬月さんが、奇声をあげながらダッシュで現れて、俺と愛が絆いだ手に突っ込むと、繋いでいた手がほどけた…
そして、無我夢中なのか、愛を掴むと、そのまま愛を連れて走り去ってしまった…
呆然とした俺は、我に戻る…
(冬月さん…感謝してたのに…いい所で現れてぶち壊していなくなったし…自称恋愛マスターなんだよね?今、めっちゃいいとこだったよね…?)
そんなふうに思っていると、トボトボと明が現れた…
俺達男二人が出口に二人で出ると、酒井さんに笑われた…
酒井さんはそう言うと歩き出した…
神谷がそう言うので、冬月さんを見ると、結構疲れていそうだった。
でも、こちらに歩いてきて言った。
そして俺達はお土産屋さんで買い物をして2日目の修学旅行を終えた。