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文字数 2,596文字

10:00 帰宅
10:30 就寝
13:00 起床
13:30 食事 メンチカツ弁当、プロテイン入り牛乳
15:00 出発
16:00 講義開始
21:00 講義終了
22:00 帰宅 
22:30 食事 白菜と野菜入りの温蕎麦  
23:00 執筆開始

 金曜日以来、二日ぶりに日記を書く。本日の家賃引き落としまで55,000円ほど足りないため、土日の休みを使って単発バイトを三つこなしてきた。こんな感じだった。


■25日(土曜)
一般宅の引っ越し補助(7:30~15:00)  12,400円
パン工場でのライン作業(17:00~05:00)17,000円

■26日(日曜)
東京ドームでイベント会場設営(21:30~09:00)15,500円


・合算 65,900円
 

 齢40歳前に、頑張り屋の大学生みたいな動きをしてなんとか目標額を上回る金を稼いできた。しかし、大きな誤算があった。最後のイベント設営バイトの終わる時間が、引き落とし時間までに間に合わず、結果的に家賃を滞納することになってしまった。結構無理をしたのが、非常に遺憾である。

 ただ、長い間一緒の空間で同じ行動をしていると、ある程度の仲間意識が芽生えて、雑談に付き合ってくれる人が多かった。最後にやったイベント会場の設営なんて、12時間30分拘束で、実働30分、座って待機が12時間くらいだった。寝てたらガチギレされる状況だから、誰かと話して盛り上がってないと長すぎる時間を乗り切れなかった。そこで得た発見は、副業サラリーマンが多く働いているんだなということ。トラック運転手、営業マン、バーテンダーなど、様々な副業サラリーマンに出会った。彼らに聞いたところ、副業の大きな理由は、テレワークが多くなったからだという。
 
 家にいる時間が多くなったため、通勤費やスーツ代などが浮いたは良いが給料が下がった…
 家に長くいると気が滅入るから、違う刺激をなるべく安全に得たい…

 理由は様々だが、共通して言えるのは時間が出来たからだと言う。これは、僕らその日暮らしの人間にとっては大問題だ。なぜなら、彼らが入るということは、その枠を得られない人間が出てくるということだ。

 日雇い派遣が多いのは工場やイベント関係などの軽作業という名の肉体労働が多い。言うなれば、それらの業種は日雇い労働者がいないと現場が回らなくなるから、派遣会社はいかに体を空けられる人間を抱えられるかが、収益に大きくかかわることになる。ここまでは分かると思うが、こと肉体労働者にとって、今までのライバルは大学生が多かった。高齢労働者は、彼らが長期休みになると仕事に入れなくなるので、その時期は蓄えた金を少しずつ切り崩したり、違うバイトを探しながら生きている人が多かった。

 しかし、テレワークのせいで時間が出来たからと、サラリーマンが入ってきたら、ますます枠を奪われてしまうことになる。それが2年も続いているのだ。なるほど、社会情勢も悪くなるわけである。そうやって仕事にあぶれた人間が、極端な行動に走るのも納得である。なぜなら、そんな犯罪を起こしてもおかしくないような、ギリギリの状況で生きている人たちを、その日暮らしを続けるうちに多くみてきたからだ。東京でこのざまなのだから、給料水準が低い地方へ行ったら、そういった人間が多くなったとしてもうなずける。

 こういう状況になったからと言って、ダブルワークを始めるサラリーマンを責めるのはお門違いだ。仕事を回してくれない派遣会社を責めるのもお門違いだ。こういった状況になっても、まっとうに生きられるように備えてこなかった本人が悪いのである。そもそも、仕事は与えられるものではなく、勝ち取り続けるか産み出し続けるものだ。派遣会社は仕事を勝ち取ってくれて、僕らに回してくれるけど、それは誰でもできる仕事だし、僕らじゃない誰かでもできることだ。

 こんな話をして、自分にしかできない仕事をしないとダメなんて言わない。本質的には、誰かができる仕事は誰かはできるから。その条件でやってくれる人間が現状いないため、その人が預かってやっているだけである。誰でもできる仕事に付加価値を付けて、その人しかできないように見せるのが大事なのだ。

 だから、派遣というのは諸刃の剣なのである。誰でもできる仕事を早いもの勝ちで取れば仕事にありつけるのが問題なのだ。誰でもできる仕事に付加価値をつける作業をしなくても、ご飯が食べられる収入を得られてしまう。そうなってしまうと、人間は現状維持に走る。正社員と比べて、できた時間を自己投資に回す責任が皆無だからだ。もちろん派遣社員の中には、さらなるステップアップのために研鑽を怠らない人もいるが、本当に稀だと思う。

 世の中は弱肉強食だ。みんな平等で一緒に前進なんて虚言だ。金を稼ぐというのは、原始時代なら食料を確保するというのと同じだ。自分が得るということは、目の前にいない知らない誰かから、間接的に奪ったことと同義なのだ。だからこそ、信頼を勝ち取って、富を独り占めしたい金持ち人間というのは一番正直で、資本主義社会の中で強い生き物なのだ。

 彼らを羨んだり、非難することは、餌をむさぼるボスを遠目で見ながら鳴いてる弱い猿の遠吠えだ。最近では金持ちがより狡猾になり、お金配りなんてやってて、それに感謝している者が多いが、僕から見れば、ボス猿の食い残しを嬉しそうに貪る弱い猿にしか見えない。あぁ、猿は哀れな獣と書くから猿なのか。それの長たる人間は、やはり哀れで醜悪な存在なんだろう。

 この2日間で思ったことは、足るを知り、必要最低限で生きていくことが肝要だということだ。サラリーマンの副業が増えて生活を左右されるような日雇い労働者からは抜け出したいが、誰かの利益のために毎日決まった時間を差し出すサラリーマンにもなりたくはない。僕は僕で、守りたい状況が守れれば良い。それには、年間に必要な金を算出して、そこから少しだけの上乗せをして蓄えにすれば良い。余った時間に創作活動や人間成長につながる行動をすることに重点を置きたい。それをベースに仕事を探すなら、週3日くらいの非常勤が理想だな。

 うん、この2日間で今後の道が少し見えた気がする。頑張ろう。明日は役所回りをして、フードデリバリーやスキマバイトをしようと思う。

 今日はこれまで。おやすみ、世界。
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