ロッカバイ・ベイビー (2)
文字数 882文字
その話は少し複雑になる。
むろん、あらゆる生命の根源にあるのは、水だ。
だが、読者諸君は、次の事実をご存知だろうか。
「青い惑星」地球は、表面の7割が水で覆われている。総量およそ14億立法キロメートル。
そのうち97.5%は塩水で、淡水は残りの2.5%にすぎない。
しかも淡水のおよそ7割は氷——極地の氷河や氷山として固定されている。そして残りの3割のほとんどは土中に存在する。土そのものにふくまれる水分として、あるいは地下水として。
地表水、すなわち河川や湖沼は、淡水のうち約0.4%だ。
これは地球上のすべての水のわずか0.01%に当たる。つまり14万立方キロメートル。
そのうち10万立方キロメートルだけが降雨や降雪で再生され、循環している。
ようするに、われわれ動植物族と接触がある
0.0071%
の子たちなのだ。
驚くほど少ない。
それほど内気な
ここでもやはりキイパーソンは
樹木の根がしっかりつかんでいることによって、水は土中に留まれる。森がなければ地下水は枯渇する。河川もただ地表を暴走することしかできなくなる。土石流だ。
さらに、森があることで、雨というものが降る。
雨が降るから森が育つのではない。その逆だ。アマゾンの熱帯雨林を見るがいい。樹木たちのゆたかな葉から吐かれる水蒸気が美しい霧となって森の上をゆったりと流れている。いわば空中の河だ。それがまた雨となって森に帰る。循環する。
樹木たちが抱きとめていてくれなければ、水は海に落ち、空に消えるだけだ。
地上には留まれない。
行き場を失う。
ちなみに、
海水も蒸発して雨となって陸を訪れるときは淡水だ。塩を持たない。
いつか海に
ここまでも、納得していただけるだろうか。