黒と赤の旅
文字数 258文字
雲の上を、小型ソリが走っている。
操縦席には帽子をかぶった青年が一人。助手席には古臭いクマのヌイグルミを抱えた女の子が一人。
「次はどこに行くの」
女の子が操縦士に問い掛け、小首を傾げる。
すると、操縦桿を手にする青年は、女の子の顔を見る。
「願いを叶えに行く」
「願いを?」
女の子は、瞬きをする。
その仕草を瞳に映しながら、青年は口の端を少しだけ上げ、小声で呟く。
「弟子の指導がてらな」
小型ソリは、のんびりと走っていく。
何処までも何処までも。
青年と女の子とクマのヌイグルミを乗せて……。
操縦席には帽子をかぶった青年が一人。助手席には古臭いクマのヌイグルミを抱えた女の子が一人。
「次はどこに行くの」
女の子が操縦士に問い掛け、小首を傾げる。
すると、操縦桿を手にする青年は、女の子の顔を見る。
「願いを叶えに行く」
「願いを?」
女の子は、瞬きをする。
その仕草を瞳に映しながら、青年は口の端を少しだけ上げ、小声で呟く。
「弟子の指導がてらな」
小型ソリは、のんびりと走っていく。
何処までも何処までも。
青年と女の子とクマのヌイグルミを乗せて……。