第４話 海の見える家
文字数 1,889文字
台所に行くと、頭に包帯を巻いたパジャマ姿の女の子がジュースを作っていた。
Alexandraの姿は見えない。
パジャマ姿の女の子はわたしに気がつくと、笑顔で
“Hey! You must be Hanna, welcome to our house, my name is Lucy.”
と言って、片手にジュースを持ったまま、もう片方の手をわたしの方に差し出してきた。
わたしはその手を握って、
“I am Hanna.”
と言った。
Lucyはリビングの方に目をやって、ソファーにくだけた姿勢で座っている女の子のことを指して
“That’s Mary, my sister.”
と言う。
Maryはこちらを半分だけ向いて、無言で手を振ってくる。見たところMaryの方が年下のようだ。
“Do you want to watch the TV with us?”
Lucyが聞く。
“えっと・・Where is Alexandra?”
“Oh! Mum? Ummm I am not sure, ah! You are eating dinner?”
Lucyが台所の向かいのダイニングテーブルに置いてあるパスタを見て、わたしが今から夜ご飯を食べることに気がついたようだった。
Lucyが笑顔で、わたしにダイニングテーブルに座るように促して、わたしはそこに一人で座る。
“If you want to come watch the TV with us, feel free! After dinner.”
わたしはよくわからないが微笑んで頷いた。
ダイニングテーブルからはテレビは見えない。しかし一緒にテレビを見るとはきっと姉妹仲が良いのだと思った。
わたしが一人でパスタを食べていると、大きな男性が現れた。
“Oh, hello!”
熊のように大きいその男性は仕事帰りのようで、特別わたしのことは気にしない様子で階段を上っていった。わたしは二階のことは案内されていない。おそらくAlexandraやホストファーザーの部屋があるのだろう。
わたしは無心でパスタを食べる。リビングからは笑い声が聞こえたり、ちょっと喧嘩のような声がしたりする。テレビが言っていることは何もわからない。
パスタを食べ終わり、お皿を台所に置いて、リビングの方に向かって歩いて行くと、たまたまLucyが立ち上がったタイミングだった。
“Do you want to chat?”
“Ah… umm can I shower?”
“Of course! Shower is over there…. and… you can take a shower whenever you want to if nobody is there…”
Lucyは目を細めて誰かがシャワー室にいるかを遠目に観察する。
“Nop, I don’t think anybody is using it now. You are free to go in!”
Lucyがジェスチャーで、今わたしがシャワーを浴びて大丈夫だと言う風に案内する。
わたしは”Thank you”と言って、部屋にシャワーの道具を取りに戻り、シャワー室に向かった。
砂漠だらけのオーストラリアは、干ばつがひどく、渡豪する前は、「オーストラリアではシャワーは5分で浴びなければいけない」なんて噂を聞いていた。
本当だろうか。みんな5分で上がっているのだろうか。観察したかったが、誰もシャワーへ入る様子はないので、とりあえず今回だけはと、10分程度でシャワーを切り上げて出た。
5分なんて早すぎると思っていたが、意外と不可能なことでもないのかもしれない。
シャワーから上がると、リビングには誰もいなくなっていた。
自分の部屋に戻り、寝る支度をしていると、Alexandraがわたしの部屋に来た。
“I am driving you to the station tomorrow, we are leaving at 7:30am, so you can wake up at 7am. Ok?”
“7:00?”
“Yes, I will see you at 7:00am.”
“Ok, good night.”
“Good night.”
明日はAlexandraの車で送ってもらえるようだ。
朝の7時に起きるよう言っていたので、朝の7時に目覚ましをかけておこう。
「蛇のゲーム」しかできない原始的なNOKIAの携帯電話の目覚ましをセットして、その携帯電話を握りしめて、その日は荷物の整理もせずに少し冷たい布団にくるまって泥のように眠った。
Alexandraの姿は見えない。
パジャマ姿の女の子はわたしに気がつくと、笑顔で
“Hey! You must be Hanna, welcome to our house, my name is Lucy.”
と言って、片手にジュースを持ったまま、もう片方の手をわたしの方に差し出してきた。
わたしはその手を握って、
“I am Hanna.”
と言った。
Lucyはリビングの方に目をやって、ソファーにくだけた姿勢で座っている女の子のことを指して
“That’s Mary, my sister.”
と言う。
Maryはこちらを半分だけ向いて、無言で手を振ってくる。見たところMaryの方が年下のようだ。
“Do you want to watch the TV with us?”
Lucyが聞く。
“えっと・・Where is Alexandra?”
“Oh! Mum? Ummm I am not sure, ah! You are eating dinner?”
Lucyが台所の向かいのダイニングテーブルに置いてあるパスタを見て、わたしが今から夜ご飯を食べることに気がついたようだった。
Lucyが笑顔で、わたしにダイニングテーブルに座るように促して、わたしはそこに一人で座る。
“If you want to come watch the TV with us, feel free! After dinner.”
わたしはよくわからないが微笑んで頷いた。
ダイニングテーブルからはテレビは見えない。しかし一緒にテレビを見るとはきっと姉妹仲が良いのだと思った。
わたしが一人でパスタを食べていると、大きな男性が現れた。
“Oh, hello!”
熊のように大きいその男性は仕事帰りのようで、特別わたしのことは気にしない様子で階段を上っていった。わたしは二階のことは案内されていない。おそらくAlexandraやホストファーザーの部屋があるのだろう。
わたしは無心でパスタを食べる。リビングからは笑い声が聞こえたり、ちょっと喧嘩のような声がしたりする。テレビが言っていることは何もわからない。
パスタを食べ終わり、お皿を台所に置いて、リビングの方に向かって歩いて行くと、たまたまLucyが立ち上がったタイミングだった。
“Do you want to chat?”
“Ah… umm can I shower?”
“Of course! Shower is over there…. and… you can take a shower whenever you want to if nobody is there…”
Lucyは目を細めて誰かがシャワー室にいるかを遠目に観察する。
“Nop, I don’t think anybody is using it now. You are free to go in!”
Lucyがジェスチャーで、今わたしがシャワーを浴びて大丈夫だと言う風に案内する。
わたしは”Thank you”と言って、部屋にシャワーの道具を取りに戻り、シャワー室に向かった。
砂漠だらけのオーストラリアは、干ばつがひどく、渡豪する前は、「オーストラリアではシャワーは5分で浴びなければいけない」なんて噂を聞いていた。
本当だろうか。みんな5分で上がっているのだろうか。観察したかったが、誰もシャワーへ入る様子はないので、とりあえず今回だけはと、10分程度でシャワーを切り上げて出た。
5分なんて早すぎると思っていたが、意外と不可能なことでもないのかもしれない。
シャワーから上がると、リビングには誰もいなくなっていた。
自分の部屋に戻り、寝る支度をしていると、Alexandraがわたしの部屋に来た。
“I am driving you to the station tomorrow, we are leaving at 7:30am, so you can wake up at 7am. Ok?”
“7:00?”
“Yes, I will see you at 7:00am.”
“Ok, good night.”
“Good night.”
明日はAlexandraの車で送ってもらえるようだ。
朝の7時に起きるよう言っていたので、朝の7時に目覚ましをかけておこう。
「蛇のゲーム」しかできない原始的なNOKIAの携帯電話の目覚ましをセットして、その携帯電話を握りしめて、その日は荷物の整理もせずに少し冷たい布団にくるまって泥のように眠った。
