(二)-4

文字数 259文字

 爆発があった部屋の前には、人垣ができつつあった。私も何が起きたか知りたくて、そこへ来た。
 吹き飛んだ木製のドアは、廊下の向かいの壁にぶつかり、割れて床に落ちていた。
 ドアを失った部屋の入り口前で、「現場を荒らすな! 宴会場に戻れ」と白いネクタイを締めた白髪交じりの男性がよく通る大声を出していた。今日の披露宴で仲人を務めていた古淵堅一警部だった。新婦である真紀の現在の上司で、昔ラガーマンだったらしく、年齢を重ねても体ががっしりしており、レンタルした燕尾服の、前で留めているボタンがはち切れそうになっていた。

(続く)
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