桃札太郎
文字数 4,397文字
明るいところに集まる習性のある夏の虫が、自ら火に飛び込んで命を落とすことから、自分から進んで災いに飛び込むことのたとえ。
例:「あいつホンマ飛んで火に入る夏の虫やなあ」
昔のやり方やしきたりに囚われずに新しい方法を考え出して、後世の規範・手本とすること。自分から模範となる例を作り出すことを言う。
例:「彼、我より古を作すって言い出して話をきかないのよ。あなたからもなにか言ってよ」
それが桃太郎が編み上げた決戦礼法、桃札決闘である。
桃太郎はそもそも、桃から生まれた時に決闘となれば相手も自分も逃げ出すことが出来ないという呪いを背負って生まれた。桃太郎は挑まれた戦いから逃げ出すことが出来ず、負けは即、死を意味する。これを退けずの呪いという。
しかし、その呪いは相手も同じことである。つまり、桃太郎から挑まれた勝負において相手は逃げることが許されない。
これを利用して、腕力では敵わない相手も、知略で及ばない敵も、同じ決闘の場に引きずり下ろす。札遊戯という戦いを真剣勝負と同じ扱いに格上げする。それこそが桃札決闘の本懐である。
伏せ:二枚
場:赤鬼一号 攻撃1500/守備800
ライフ:5000
手札:六枚
鎧の袖で触れた程度の軽い力で敵を打ち負かすこと。
相手をたやすく打ち倒してしまうことのたとえ。
例:「ぼくもいつか、鎧袖一触な大人になりたいな!」
自分が1500以上のダメージを受けた時、1000ダメージにつき一枚ドローする!
この効果は次の俺のターンまで継続する!
黒鬼さんよ、迂闊に攻めれば俺の手札が増えていくぜ?
忍耐は成功のもとであるということ。「衆妙の門」はあらゆる優れた道理の入り口のことを指す。
例:「忍の一字は衆妙の門って言ったって、限度があるよ……」
手札:一枚
伏せ:三枚
場:桃源郷の誓僕シャーロット 攻撃200/守備3000
ライフ:3500
良くない縁に限って結びつくが強くて、離れがたいさま。
例:「悪縁契り深しやぞ! 分かっとんのか!」
そしてシュテンは守備モンスターを攻撃した時、守備力を超えた分のダメージを相手に与える!
桃源郷の誓僕シャーロットの守備力は3000! 攻撃力7000となったシュテンの攻撃は防げない!
激しい風が枯葉を吹き飛ばすように、劣勢の相手を簡単に打ち負かすことのたとえ。
例:「アイツはホント烈風枯葉を掃うことしか能がないな」
冷酷で無慈悲なものでも、時には同情や憐れみを抱いて涙を流すこともあるということ。
例:「君のような人でもこの気持ちが分かりますか。鬼の目にも涙、というわけですね」
昔の運送業者が荷物を運ぶついでによその荷物なども運んで駄賃を稼いだことから、用事をするついでに他のことをすることを言う。
例:「カップラーメンに湯を入れる行き掛けの駄賃にコーヒーを淹れたんだけど、飲む?」
手札:一枚
伏せ:一枚
場:彼岸の豪鬼シュテン 攻撃3500/守備2000
ライフ:5000
氷は水より出でて水より寒し!
桃源郷の誓僕シャーロットをリリースし、デッキから桃源郷の誓僕パラヴァニを召喚!
パラヴァニはその攻撃力と引き換えに、フィールドにある限り、お互いのターン終了時に俺のライフに1500のダメージを与える!
これにより、忍の一字は衆妙の門の効果で一枚ドロー!
行き掛けの駄賃で更にもう一枚ドローだ!
弟子が師匠よりも優れていることのたとえ。青は藍より出でて藍より青しとも。
例:「師匠には悪いが、おれは氷は水より出でて水よりも寒しってやつだな! ガハハ!」
手札:五枚
伏せ:無し
場:桃源郷の誓僕パラヴァニ 攻撃4000/守備0
ライフ:2000
他人の行いの善悪を見て、自分の行いを見つめ直し、改めよとの教え。
人間は自分で自分の欠点には中々気づけないのでこういうことが言われる。
例:「注釈が多い文章は嫌われるものね。人の振り見て我が振り直せってことかしら」
手札:無し
伏せ:三枚
場:御伽ノ国ノ姫君・乙姫 攻撃2500/守備2000
ライフ:2000
鬼
手札:無し
伏せ:無し
ライフ:2500
黒鬼の蓄えていた金銀財宝を私物とし、鬼ヶ城の新城主となった桃太郎は、黒鬼に代わって次第に人々を苦しめるようになっていった。
民衆にとっての目の上の瘤となった桃太郎は、ある時、奇襲に近い形で勝負を挑まれ、退けずの呪いによって呆気なく討滅されてしまった。
乙姫の予言は正しかったと言えるだろう。
かくして、力の均衡を脅かす強大な存在は消えた。しかし、桃太郎が残した桃札決闘のみは世に残り、子どもから大人までを魅了したという。桃札の製造元であるお爺さんとお婆さんはその収益で幸せに暮らしましたとさ。
邪魔なもの、鬱陶しいもののこと。
特に、自分より目上の人や力が強い人に対して言われる。
例:「この桃太郎のように、威張り散らして目の上の瘤だなどとは言われないように育ってくださいね」