大衆酒場はペールエールの香り
文字数 1,806文字
ボグッ!
ドサッ
ズサッ
あたしはジャンヌダルク。ここら一帯の店を警備させてもらってる、ジャンヌ・ファミリーのアタマだ。
あたしらはカネのためにやってるんじゃねえ。地元の皆さんがくつろいでお酒を飲めるように、人助けとしてやってるつもりだ。
……世の中、カネさえ何でも解決できるって言う連中もいる。だけど、あたしらはそうは思わねえ。
ノンノンノンノン、違うんだなあ。
あたしらは気持ちを大事にする、って言ってんだよ。
なあ、あたしの子分は世間様から見りゃチンピラかもしれんが、あたしにとっては息子みたいなもんだ。あたしはこいつらが可愛くて仕方がないんだよ。
バキッ!
バキッ!
バキッ!
でもまあ、おっちゃんよ。
こんな風に、騙されやすくてバカな連中だけどよ。あたしからすりゃあ愛すべき愉快なファミリーなんだ。それをコケにする奴は誰であろうと許さない。身代金も受け付けない。
あたし自身がカタキを打ってやらなくちゃあ、他の誰に任せられるっていうんだ?
わっはっは! じゃあ、こういう風にしようか。
あたし一人で、あんたら三人の相手をしよう。他の子分に手出しはさせない。あたしにはアタマとしての責任がある。お前たちの言い分を汲んで、三対一で白黒付けさせてやろうじゃないか。
これぞフレンズの輪。子分たちに両肩を組ませ、そのままぐるり一周、輪を繋げて囲ませた。
みな両肩を組んでいるから、子分たちが手出しすることは不可能。無理に手を出した者は肩を脱臼する! この輪の内側が決闘のリングよ!