第67話  融 6

文字数 7,279文字

融は腕を組んで考える。

あの研究室の助手。大杉加奈子。離婚したから扇加奈子
あれ以来、全くの音沙汰無しだ。
こっちも何も送っていないが。


 樹に説明した内容と現実は若干の乖離があるのだが、大筋で合っているので許容範囲だと融は思っている。それにちゃんと説明したところで、余りに奇異な話なので樹の脳では理解が追い付かないだろうと思われた。

扇加奈子。
大学時代は「理学部のマドンナ」などと呼ばれていた。
「理学部のアイドル」とか「加奈子姫」とか。
きっと文学部とかだったら、ちょっと綺麗な女の子で済んでしまったかも知れない。
何しろ、理学部だから。女性が少ないし。

頭の回転が速くて、理路整然と自分の意見を述べる。いつも冷静で何事も手際よく、落ちが無い。周りの男共がちやほやして「マドンナ」などと褒め称えた。なのでめっちゃプライドが高かった。それを自覚しつつも、常にフラットな感じで好感度も演出する。
メタ認知が半端ない。

融とはそれ程接点も無かったが、学科を跨いでの飲み会などと言う時にはビールを片手に仲良く騒いだりもした。

 あの頃。自分が中国から帰って来た辺りから。
樹は病んでしまって、とても式を挙げられる状態では無かった。樹は毎日の仕事に行くので精一杯だった。融は心配してよく樹のアパートに出向いた。


彼女が病んでしまった責任の一端は自分にもある。
あの時、強引に自分に引き寄せたのだから。
自分も佐伯の「三か月」に縛られていたのだ。
兎に角自分のものにしてしまえば、後は何とでもなると思っていた。
それにきっと、佐伯は樹を自分に譲ってくれたのだろうから。


自分の想いばかりで樹の気持ちを思いやることが出来なかった。
樹は自分よりも周りの人間の気持ちを優先する所がある。だからあの時は俺の気持ちを優先したのだ。
融はそう思った。
そのツケが予期せぬ病となって現れたのだと思った。

結婚式を延期する。
山本教授にそう伝えた。彼も招待客の一人だったから。
それが助手である扇にも伝わったのだろう。

一緒に食事をしていた同僚が帰ってしまった後で、昔話に花が咲いた。あれやこれやと大学時代の馬鹿な思い出話で二人で爆笑をした。
久し振りに心から笑った。

「あーあ。面白かった。笑い過ぎて涙が出たよ」
融はそう言って涙を拭った。
「私も」
そう言いながら加奈子も涙を拭う。

ちょっと落ち着いてワイングラスを傾ける。
「婚約者と何かあったのですか?」
加奈子は突然そう言った。
融はちらりと加奈子を見る。

「実は、マリッジブルーになってしまって。元々メンタル的に弱い所があるから。・・・それで式は延期したの」
融は答えた。

「そうなのね。それは大変ね」
加奈子は言った。
「何でマリッジブルーになってしまったの?あなたみたいに素敵な人と結婚をするのに。寧ろ、みんなにお披露目して自慢したい位じゃないの?」

「理由なんか分からない。だからマリッジブルーって言うんじゃないの?」
融は答えた。
加奈子は探る様に融を見る。
融は笑って「止めてくれよ」と言った。

「・・男ね。ちょっと、赤津君。・・その彼女、男がいたんじゃないの?」
加奈子は言った。
融の眉がぴくりと上がる。

その顔を眺めて満足そうに加奈子は頷いた。
「・・・図星ね。あなたの顔にそう書いてあるわよ」
加奈子はいたずらっぽく融の顔を指差した。

「いや、でも、そういう事では・・」
慌ててそう言い掛けた融を遮って彼女は言った。
「あなたの気持ちが手に取る様に分かる」
「私も同じだから」
さっきとは打って変わった真面目な顔で加奈子は言った。

「夫は不倫をしているの。彼は私が知らないと思っているの。全く甘い男よね。・・・私が気が付かない訳が無いでしょう?この私が」
加奈子は笑った。
「あなたの婚約者も私の夫に似ているんじゃない?」

「いや、悪いけれどウチは不倫はしていないよ。ただ、そいつの事をちょっと忘れられないだけで」
融は言った。
「忘れられなくて病んでいるんじゃ、もっと始末が悪いんじゃないの?」
加奈子は返した。
「そんな訳無いだろう。失礼な」
融は思わず言った。そして黙った。


加奈子は黙ってしまった融を労わる様に見た。
「あなたは相変わらず優しいわね。昔と同じ・・。ねえ、その彼女、さっぱりと諦めた方が良いんじゃないの。あなたにはもっと誠実でしっかりした人」
「無理」
融は即答した。
「絶対に無理」
加奈子は呆れた顔で融を見た。

「君だって、ダンナが不倫しているのを知っていて、どうして知らない振りをして許しているの?そっちの方がおかしいだろう?」
融は尋ねた。

「それは勿論、私が彼を愛しているからよ。誰よりも。・・・あなたと同じ。・・・彼も私を愛しているわ。そして私に優しい。とても優しい人よ。でも、彼は私に対して・・‥色々と複雑な感情をもっているのよ。難しいわね。夫婦って。彼は自分が不倫をする事でバランスを取っているの。分かるかしら・・?」
加奈子は言った。

融は考えた。

「君に対して、何か拘りがあるんだな。きっと彼は君と対等では無いと感じているのかも知れないな・・・。そのマイナスを埋めるための補償って事かな?・・・ひょっとして、君も不倫をしているんじゃないの?」
融は言った。
加奈子は笑った。
「言ったでしょう?私は夫をとても愛しているの。不倫なんかしないわ。・・・あなたが言ったように『補償』なの。私を裏切るその行為に拠って彼は私と対等になれるの。でも、誤解しないで。彼は私をとても愛しているからその女性と付き合っているのよ」
融は加奈子の理知的な顔を眺めた。

 なかなか複雑な夫婦だと思った。そしてまた随分と歪んだ理論を構築したなと。

加奈子はワイングラスを手に、顔を寄せて誘う様に言った。
「ねえ。いい方法があるわよ。そんな彼女でも許せる方法が。・・・あなたが私と寝ればいいのよ。いいわよ。寝てあげても」

融は身を引いて椅子の背もたれに寄り掛かった。

「こっちも(やま)しさがあるから、彼女の事も許せるって訳だね。成程ねえ・・・君のダンナはそうやってバランスを取っているんだね。・・・彼は君の何が気に入らないの?」
融は言った。

「強いて言えば完璧さと言う点かしら?美しさとか有能さとか」
「それに嫉妬しているって事?」
「まあ、そんなところでしょうね」

・・・・
大丈夫か?こいつ・・・。
融はちらりとそう思う。

「あなたが私と関係を持ったとする。あなたは彼女に負い目が出来る。だから彼女を許せる。彼女があなたの不実に気が付いても、自分のせいだと思うから仕方が無いと思う。
もしもあなたと彼女の関係が悪化しても、お互い様だから仕方が無いって思える。どっちが悪いとか考えなくて済む」
加奈子はにっこりと笑う。
「なかなかいい考え方じゃないかしら?」
「負のスパイラルだな」
融は返す。

「私だったらあなたの事も良く知っているし。だから、何の後腐れも無いわよ。
・・・善良な男なんてつまらない。あなたも傷を負わなくちゃ。昔の誼で協力してやろうと思っているのだから、有難く受けなさいよ」
加奈子はふふふと笑う。
「悪い顔だな。男を誘い慣れている。・・・やっぱり、君も男がいるんだろう?」
融は言った。
「あら、嫌だ。そんな事は無いわよ。言ったでしょう?私は夫を愛しているって。それで夫も私を愛している。・・だからまあこれである意味円満なのよ。・・・でも、あなたは特別。ちょっと特別なの」

「本当は君も旦那を許すための理由が欲しいのだろう?」
「あら?・・・じゃあ、共通の利益の為にという事でどうかしら」
加奈子はそう言って熱く融を見た。

ヤバい事になった・・。
妖艶に微笑む加奈子を見てそう思った。

融は言った。
「悪いけど。ウチはいいや。俺は単純だからそんな複雑な事は御免蒙りたい。面倒過ぎる。
けれど、そんな風に君に思わせてしまったなら申し訳がない。俺は全くそんな気は無かったんだ」
加奈子の笑みが一瞬顔に張り付いた感じがした。
それがぱらりと落ちて、無表情な白い顔が見えた。

融はひやりとした。
「あっ、もうこんな時間だ。・・帰らないと。今日は久々に面白かったよ。俺はこのまま駅に行くわ」
そう言って作り笑顔で立ち上がった。
「新幹線は何時だっけ・・」と言ってスマホを見る。

加奈子はバックを持って立ち上がった。
「ちょっとお化粧室へ行って来ます。すぐに来るから待っていてね。どうせ私も駅に行くのだから」
そう言って去った。

融はこの隙に帰ってしまおうかと思った。だが、まだ出向は続く。関係悪化は避けたい。
つまらない話などしなければ良かったと思った。
つい昔馴染みで話をしてしまったが、昔の彼女とは随分変わってしまったと思った。
そのクソ旦那のせいだろうか。
あの頃はこんな人だとは思わなかった。
聡明で明るい女性とばかり思っていたが。
飲み会でわいわい騒いだ位で、それ程深い話をした訳でも無いから分からないが・・。元々変な人だったのだろうか・・?

大体、彼女のその話は客観的に見て本当なのだろうか?
旦那の浮気が許せなくて、そんな風に脚色してしまったのだろうか?
そうなるとちょっとこれはサイコっぽい。
・・・不味いな。
そう思った。

会計をして待っていると、彼女がやって来た。
道を歩きながら加奈子は言った。
「まあ、あなたがそう言うなら仕方が無いわ。私はあなたの事を考えてアドバイスをしてあげたのだけれどね。・・・仕事の差支えになると嫌だから、さっきの話は無かったことにしましょう。お互いに」
彼女はそう言った。
すごくほっとした。

彼女はそんな融を眺めて言った。
「そのほっとした顔・・・・憎らしいわね。・・・あのね。実を言うと、私、あの頃、あなたの事が好きだったの」
融は驚いた。
「そんなのは知らなかった。・・だって君はあの頃、理学部のマドンナって言われていて、引く手数多(あまた)だったじゃないか。」
「そうよ。それに、あなたはどこかの女子大の頭の悪そうな女の子と付き合っていたじゃない。だから告れなかったの。私のプライドが邪魔をして」
加奈子はちょっと馬鹿にした様に言った。
融はむっとした。
「悪かったね。俺はちょっと抜けている位の人が好きなの」
そう言った。

加奈子は融を見た。
「阿保な女が好きなんでしょう?だから苦労するのよ。どうして学習しないのかしら。どうして、男ってそうなのかしら。自分が能力で負けているから、自分より劣った女を好きになるのよね。女に勝てないから。結局、ウチのダンナもそんな所よ。優位に立ちたい男の本能。それこそ馬鹿じゃないの?片手で私を抱いて称賛しながら、後ろ手で愛人の手を掴んでいる。利用されているとも知らない、馬鹿な女の手をね。挫折した男のプライドの捌け口になっているとも知らないで。
・・・きっとあなたのその彼女も抜けているんでしょうね。抜けてて病んでいるなんて最悪じゃん。あなたって本当に駄目女好きね」

余りの言い様に唖然とする。
何なの?このヒト・・?

「いや、ちょっと抜けているのと、阿保は違うと思うけれど・・」
融はぼそぼそと返す。
心の声がもう黙れと言う。

「苦労するのは見えているわよ。絶対に別れた方がいいわよ。そんな女。あなたに友人としてアドバイスをしてあげているの。・・もう、赤津君。情けないわよ。」
加奈子は言った。
「余計なお世話だ。君こそ、そのヘタレ旦那と別れた方がいい。君だってダメ男好きだ。君の方が情けない」
融は返した。
「あら?」
加奈子は目を丸くする。
「中々言うわね」
そう言ってあははと声を出して笑った。

笑った後で加奈子は言った。
「ホント、変わらないね。あなたって。・・・赤津君。久々に面白い会話だったわ。大丈夫。心配しないで。次回から普通にやるから。何があっても仕事には支障をきたさないのが私のモットーなの。仕事に私情は持ち込まない。こんな事はちっとも影響しないわ。仕事にも、勿論、私のメンタルにもね。私ってすごくタフに出来ているの」

それは身に沁みて良く分かった。

「それにあなたと私は相容れないという事がよく分かったわ。だからもう分り合おうなんて思わないわ。じゃあ、これ、今日の私の分・・・じゃあね。気を付けて帰ってください。また来月宜しくね。お休みなさい」
そう言って加奈子は向こう側のホームに去って行った。
融はきっちりと折半されたお金をポケットに入れて、こちら側のホームを歩く。

次回、研究室に向かったら、彼女は明るい声で話し掛けて来たので、ああ、あの時、言った通りにしているんだと思って安心した。変な奴だが、流石だなと感心した。
仕事に関してはちゃんとしているなと。
それ以降も全く彼女は普通だった。
勿論、彼女との接点は出来るだけ避けて来たが、まあ安心した。
出向が無事に終わって、ほっとした。

しかし・・・。
いつ離婚したのか知らないが、俺の出向が終わるのを待っていたのか?
普通な振りをして。俺を安心させて置いて。

そしてわざわざ爆弾を落としに来たんだ。
すごい行動に出るなと思った。
蛇みたいに執念深い。
何が気に入らなかったのか。
彼女と寝なかったからか?
それとも「余計なお世話だ」と言ったからか?

驚いた。
ここまで変な奴だとは知らなかった。
自分の言葉が正しい事を証明しようとして自ら手を下したのか?
それとも不幸の道連れにしたかったのか?

東藤家理沙といい、扇加奈子といい。
お陰で俺の結婚生活はたったの一年で破綻した。
婚約期間を入れると約二年。
やっと軌道に乗ったトコだったのに・・・。
幸せだったのに・・・。悪霊みたいな奴らだ・・・。


ぼんやりと考えていると窓の外から「コンコン」と音がした。
夜刀がベランダにいた。
融はサッシを開けた。夜刀は部屋に入って来た。

「どうだった?」
融は尋ねた。
「あの辺りのカラスに言って置いたから。ちょっと構ってやってって。・・・今日はたっぷりフンを落とされていたよ。しばらく続くんじゃないか?カラスは記憶力がいいからな。すっかり顔も覚えたし。奴ら、家の周りで張り込んでいるよ」
融は、はははと笑った。
「すげえパニックに陥っていたぜ。悪態ついてさ。くそガラス、死ね!って」
夜刀は言った。
「カラスにフンを落とされるなんて、ついてないよな。扇加奈子」
融は言った。
「おい。小夜子には黙っていろよ」
そう付け加えた。

夜刀は言った。
「分かっているって。言う訳が無い。そんな事を言ったら、小夜子にそいつを殺して来いって命令される・・・でも、融、小夜子は伊刀を佐伯の所に送り込もうとしているんだぜ」
融は驚いた。
「何で?」
「スパイとして。・・ミッションは色々と邪魔をする事らしい。」
「今更?」
融は笑った。

夜刀はその笑顔を見る。
「融。あのな。笑い事じゃないんだ。いいか?お前はイケているんだからさ。樹を忘れて・・・・」
夜刀は言葉を切る。
「・・・兎に角、また可愛い子を探せばいいよ。・・・てか、出来るだけ早く探せよ」
「何で?」
融は聞いた。
「小夜子は、お前が望むなら佐伯との戦争も辞さないって言っていたぞ」
「ええっ?」
融は驚いた。
「だって、佐伯は命懸けで樹を・・・」
融は言った。
「それとこれとは別だって。おい・・。本当に笑っている場合じゃないぞ?考えてもみろ・・蘇芳と小夜子がガチで戦ったら、どんな事になるか・・・・俺は想像しただけで恐ろしい。最強のブラコン同士だ。どっちも譲らないと思う」
「史有がいるのに?」
「そう。それがネックだと言っていた。一番のネック。・・・ある意味、『史有は(かすがい)』だな」
夜刀は苦笑した。
融も笑った。

「それに小夜子はすごく樹を気に入っていたんだ。お前と同じ位に。・・・だから、小夜子は小夜子でとても傷付いたんだ」
夜刀は言った。

融は夜刀の顔を見る。
「ああ・・そうか。そうだったな。・・・後で電話を入れて置くよ。俺は樹みたいに頼りない子じゃなくて、もっとしっかりした子を探すって」
そう言った。
夜刀はほっとする。

「じゃあな。俺は行くぜ。また用があったらいつでも呼んでくれ」
そう言って夜刀は飛び立った。
「おう。有難うな」
融は答えた。

ベランダに出て小さくなって行く夜刀の姿を見送った。
夜刀が青い空の一点になる。

んっ?
ふと気が付いた。

何だ。樹と加奈子は同じじゃないかと。
樹も俺と小夜子の絆に耐えられる絆が欲しかったと、あのメールの中で言っていた。
俺が小夜子を抱いても耐えられる様な絆が。
だから佐伯と絆を結んだと。
随分前の話だから忘れていた。
彼女も補償を求めたのだった。

融はふふっと笑った。
人は他人の事はよく見えるが、自分の事となると案外見えないものだなと思った。

その笑みが消えた。

加奈子の言葉が蘇る。
「あなたが言ったように『補償』なの。私を裏切るその行為に拠って彼は私と対等になれるの」
自分が最後に加奈子に言った言葉を思い出した。

今更ながら、加奈子と同じ様な事を考えた樹がとても憐れだと感じた。
自分は佐伯を想いながらも、自分の所に留まってくれた樹をまた失望させたのだ。
樹の言葉が蘇る。
「違うよ。融君。確かに、その女の人が切っ掛けだけれど、でも、私が病んだりしなければあの人にそんな話をする事も無かったし、あの時、ちゃんと由瑞さんと話をしていれば、私も病んだりしなかったと思う。だからその責任は半々だよ。だからもう俺のせいだなんて思わないで。・・・それにその理沙っていう人が来たのも、誰のせいでもない・・・そんなのは結局、誰のせいにも出来ないんだ」
池に飲み込まれてしまった事に対して樹に謝った時に彼女はそう言ってくれた。

「融君は私の永遠のソウルメイトだよ」
そう言った樹を「ソウルメイトなんて嫌だね」と言って抱き締めた。

融の目に涙が浮かんだ。
融は空を見上げた。
涙が落ちない様に。

「ふうっ」と大きく息を吐いた。
「苦労か。・・・まあ、確かに苦労はしたな。だが、まあ、それは・・」
融は呟く。
「決して、悪くはない」

融はベランダの柵に寄り掛かって街を眺めた。
目の前の公園から油ゼミの声が聞こえて来る。
お稲荷さんの森があるから。
樹が外を眺めて「すごくいい景色」と言っていたのを思い出した。
融の前にはどこまでも青く、抜ける様な夏空が広がっていた。




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