姫と竜と狼 1巻 プロット

文字数 1,145文字

起)人間族、獣人族、希少な竜人族などがいる世界。一番多い民族である人間族の国、アルカナの天真爛漫な姫ニーナ・アウラ・クラヴィスと、幼い頃から側におり最大の理解者である2歳上のボディーガード兼家庭教師のレイ。ニーナは運命の出会いに憧れていて、いつか自分も大恋愛をするのだとよくレイに話しては呆れられている。レイは純粋にニーナを守ろうと尽くしている。

承)ある時姫とレイは城下町を散策していたが、賊に絡まれてしまう。その場に居合わせた近国の王族の血筋であるというヘルシャフトと名乗る男が、ニーナを助ける。その日からヘルシャフトはニーナとレイの行く先々に現れ、ニーナを楽しませる。ヘルシャフトはレイの存在が面白くない。城の舞踏会にも招待され、堂々とニーナを口説くヘルシャフト。周りから運命の相手だと囃し立てられ顔を赤らめるニーナに、なぜかチクリと胸が痛むレイ。

転)ニーナ姫の16歳の誕生祭の日。国民への演説を前に不安そうなニーナがレイを見やり、レイが優しい眼差しで大丈夫と返すが、それを見ていたヘルシャフトが嫉妬から豹変。もう待っていられないと獣人としての正体を現し大狼に姿を変え、姫を自分のものにしようとさらおうとする。実は姫を賊に襲わせたのも、姫の気を引こうとしたヘルシャフトの仕業だった。混乱に見舞われるアルカナ城。王国兵士がかかっていくが、獣人は強く、苦戦して姫をなかなか取り戻せない。初めて見るレイの必死な姿を見て、絶体絶命のピンチにもかかわらずニーナの胸は高鳴り、自分の気持ちに気付く。レイはもはや自分の気持ちを隠さず、俺が絶対にお前を守ると叫ぶ。(※レイの平常時の一人称は"私")

結)敵前でやっと自分の気持ちに気付いたニーナとレイだったが、レイは人間ではなく竜人族だった。ヘルシャフトの大爪がレイの首を切る寸前で、レイは本来の竜の姿となり姫を奪還した。ヘルシャフトは捕まり国外追放となった。今回のヘルシャフトの事件もあり、人間でない種族が城にいるのは国を騒がせてしまうのでもう一緒にはいられないと国を去ろうとするレイ。しかし、国王=ニーナの父はレイの生い立ちについてすでに知っており、ニーナにはレイが必要だとして一緒にいることを許す。国王はその場で国民に是非を問い、レイは支持を得て正式な王国騎士となった。誕生祭は無事終わり、その夜祝福の花火が上がる。城のバルコニーで二人きりのニーナとレイは、花火を見ながら肩を寄せ合うのだった。

注:
アルカナ=古典ラテン語で「神秘」アルカヌムの複数形※人間関連は古典ラテン語から名付け
アウラ・クラヴィス=輝き、鍵
レイ=スペイン語で「王」※竜族関連はスペイン語から名付け
ヘルシャフト=ドイツ語で「支配」※獣人関連はドイツ語から名付け
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