7.不死者シルバー ~ 魔法の袋 まで

文字数 10,136文字

閲覧ありがとうございます。
こちらは過去作【星屑のメロウ】の改正版です。
過去作をベースに新たに書き直したモノなので、
過去作とは設定や展開が異なります。
また、過去作は小説に限りなく近く書き上げていますが、
改正版のこちらは『脚本』の状態です。
重大なネタバレを含みます。
予告なく書き換える可能性があります。

よろしくお願いします。





マリー「うわあ! なんだかお洒落な町ね!」

イリス「四大陸の食材がここに集まって、
    想像もつかない料理が作られる場所だよ。
    冒険家なら一度は訪れたい場所だね」

パトリシア「あらあああああああああああああ!!
      わたくし、成仏しちゃいそうだわ!!」


タワーの中に入る。


受付嬢「グルメパレスへようこそ!
    ご用件をお伺いします」

ミハエル「総支配人のシルバーに
     『スノウマンが来た』と連絡してくれ」

受付嬢「スノウマン様ですね。
    かしこまりました。
    少々お待ちください」


暫く待つ。


受付嬢「スノウマン様、お待たせしました。
    ご案内します。どうぞこちらに」


案内され、最上階へ。


シルバー「よう、スノウマン」

ミハエル「よう、シルバー」

シルバー「随分と大所帯だな。適当に座ってくれや。
     酒を飲むか? っと、未成年ばっかりだな。
     最近開発したジュースがあるからそれにしよう」


場面暗転。全員が椅子に座る。


ミュコ「わあ! これすっごくおいしいよ!
    おじさん、ありがとう!」

ミミン「ミュンミュン!」

パトリシア「本当に美味しいわ!
      わたくし、生きててよかっ、
      あ、死んでるんだった・・・」

シルバー「お褒めに預かり。さて、八年振りに
     ホラン山を踏破したギルドが現れたと
     聞いている。名前は『スターダスト』。
     そこのお嬢ちゃんがマスターだね?」

マリー「はい! マリー・シェスターです!」

シルバー「バリエーションに富んだ構成員だね。
     冒険していて楽しいだろう?」

マリー「はい! とっても!」

シルバー「・・・それで、スノウマン。
     俺になんの用だ?」

ミハエル「『賭け』をしよう」

シルバー「ほォう・・・?」

ミハエル「竜神王が死んだ。正確には俺達が
     殺したんだが、竜神王がアオイを
     殺す手段として、この短剣を
     大切に取り扱っていたらしい。
     スコルピオがこの短剣を『壊した』そうだ。
     それで竜神王は狂って、俺達が始末した。
     さて、この短剣、
     本当に『壊れている』のかどうか。
     検証をすべきじゃねえか?」

シルバー「俺を刺すつもりか」

ミハエル「俺が賭けに勝ったらな。
     負けたら、俺が自分を刺す」

マリー「ちょ、師匠! そんなこと!」

シルバー「師匠? お前、スコルピオには
     『先生』って呼ばれてなかったか?」

ミハエル「今はこいつが弟子だよ。
     賭けにのるのか? のらないのか?」

シルバー「・・・いいだろう。ただし『賭け』じゃない。
     『食料調達』を頼まれてくれないか?」

ミハエル「お前が賭けをしない!?
     オイオイ、変なモンでも食ったか!?」

シルバー「ハハハ! そう言われると思ったよ。
     今は食への探求心が抑えきれなくてな。
     賭けで稼いだ金はここを買い取るのに
     使い切っちまったよ。
     さて、本題だ。水の国の〇〇〇〇にある
     『トリアエの卵』を取って来てくれないか?」

イリス「えっ!? トリアエですか!?」

マリー「トリアエって、なんなの?」

イリス「超が付く程、狂暴な魔獣だよ。
    でも、絶滅が危惧されていて、
    来年、絶滅危惧種に
    指定されるんじゃなかったっけ・・・」

シルバー「おお、よく知ってるじゃないか。
     トリアエは雌雄同体の大型の魔獣で、
     縄張りを持たず、餌をあらかた食い尽くすと
     巣を作って有精卵を産み、移動する。
     その半年の間に生態系が回復して、
     卵から孵った幼体が餌を喰うってわけだ。
     〇〇〇〇でトリアエが目撃されたという
     情報が入ってから二ヵ月。俺の部下や
     雇った冒険家を向かわせたんだが、全員、
     トリアエに敵わず逃げ帰ってきた。
     そいつらの話では、どうやら最近、
     巣を作り始めたらしい。今行けば、
     産みたての卵が手に入るかもしれないんだ。
     どうだお前達、採って来てくれないか?」

マリー「うーっ、
    なんかグレーな行為な気がしますけど・・・」

シルバー「嫌なら別にいいさ。短剣を謎のままにするか、
     ミハエルが死んだあとにお前達全員、
     スコルピオに拷問のち惨殺されるだけだからな」

マリー「わ、わかりましたぁ・・・」

シルバー「良い返事だ、マリー君、頼んだよ。
     ところで、スノウマン。
     まさかとは思うが、
     スコルピオに愛想をつかして
     その娘に乗り換えるつもりか?」

ミハエル「ンなわけねえだろ」

シルバー「なら何故、会議に参加しない?
     次、参加しなかったら五回目だぞ」

ミハエル「次は出るって。二年後だろ?」

シルバー「二年と四ヵ月と三日だ。
     五年に一度の逢瀬なんだから会ってやれ」

ミハエル「わかったわかった。
     おし、行くぞお前ら!」

三人娘『シルバーさん、ジュース、
    ありがとうございました!』


土の国から水の国へ行き、〇〇〇〇へ。
最奥でトリアエと遭遇。


サララ「わあ! 強そう!」

ペトロフ「サララ君、油断しちゃ駄目だよ!」


トリアエと戦闘。戦闘勝利後、卵を発見。


マリー「あ! 卵! すっごく大きいね・・・」

サララ「持ち運びは慎重にしないとね・・・」

イリス「狂暴な魔獣のものとはいえ、
    絶滅を危惧されている生きものの
    卵を持っていっちゃうのは気が引けるなあ」


トリアエの卵入手。
グルメパレスに戻る。


マリー「シルバーさん、見てください!
    トリアエの卵、持ってきました!」

シルバー「おお! よくやってくれた!
     さてどうやって食べるかな。
     雑食性だから臭みがあるかもしれんが、
     そのかわりコクもあるだろうし、
     有害物質を取り込んでいる可能性もあるか。
     生物濃縮も考慮しなくてはいけないな。
     産地によって味に違いが・・・」

ミハエル「こらクソジジイ。
     俺との約束が先だろ」

シルバー「あ? ああ、そうだったな。
     短剣を貸してくれ」

ミハエル「ほらよ」


シルバーは短剣を受け取ると、迷うことなく心臓に突き刺した。
辺りに血が飛び散り、シルバーはゆっくりと仰向けに倒れる。
顔に浮かんでいるのは、死相そのものだった。


マリー「えっ・・・。
    う、嘘。
    シルバーさん!?」

ミハエル「まあ見てろ」


ミハエルは緊張感のない声で言う。
シルバーの身体から飛び散った血がぷるぷると震え、
まるで百足のようにシルバーの身体に戻っていき、
傷口から短剣がぽろりと零れるように取れた。


ミハエル「やっぱ生きてるかあ」

シルバー「四大陸の王は俺達より高位の存在だから、
     下っ端の俺が死なねえってことは、
     これはなんの変哲もない短剣ってことになるな」

ミハエル「アオイ限定で殺せる可能性もあるが、
     それは試せないしな。実験終了だ」

イリス「ほ、本当に死なないんですね・・・」

シルバー「ハハハ、不死者にも色々あるが、
     俺は便利な死に方をする方さ。
     掃除の手間がかからないからね」

イリス「ということは、
    ミハエルが致命傷を負った時は、
    また別の方法で復活するの?」

ミハエル「まあな。さて、その話は置いておいて。
     これからどうするんだ、マリー」

マリー「え?」

ミハエル「『え?』じゃねえ。
     今までは成り行きに任せてここまで来たが、
     当初の目的を忘れたのか?」

マリー「あっ! ハルマゲドンの阻止、ですね・・・」

シルバー「随分とデカい目標だな」

マリー「はい。実は・・・」


場面暗転。マリーが事情を説明する。


シルバー「塔から天界、冥界まで行って直談判。
     ペトロフ坊やが最後の切り札、ねえ。
     フフッ、分の悪い賭けだな・・・」

ペトロフ「必ず阻止してみせます」

シルバー「そうか・・・。ハルマゲドンで滅ぶのは、
     完全な不老不死じゃない俺達も含まれる。
     四大陸の王からの情報だから間違いない。
     だから俺はスコルピオのことを支持する。
     『本当の不老不死』になる方法を、
     スコルピオなら解明できると
     俺は信じているんだ。しかし・・・。
     天族と冥族が動き出しているということは、
     時間が無いということでもあるな。
     いつか、はわからない。明日かもしれないし、
     何百年も先かもしれない」

マリー「あたし達、休息を取ったら
    すぐに塔に向かいます」

シルバー「待ちな。お嬢ちゃん達がハルマゲドンを
     阻止するというのなら、それに協力しよう。
     〇〇町から、船で塔のある大陸に
     行けるように連絡をしておく。
     ワラフ山を踏破し、竜神王を倒し、
     トリアエの卵を取ってこられた君達なら、
     何度か失敗することはあっても、
     いつかは塔を攻略できるだろう。
     しかし、大人数で荷物もごちゃごちゃしてるし、
     お前達は『運』だけでここまで来た部分がある。
     駆け出しの冒険家にはプロの助っ人が必要だな。
     明日、塔についてと、荷物の準備といった
     詳しい話をまとめようじゃないか。
     今日はとりあえず、ゆっくり休んでくれ。
     従業員に話を通しておくから、
     好きなだけ飲み食いしたら客室で寝てくれ。
     昼までには助っ人を呼んでおくよ」

三人娘『ありがとうございます!』

パトリシア「やったーっ! 飲み食いよーっ!」

イリス「元気な幽霊だなあ・・・」


翌日、塔について話し合う。


シルバー「さて、塔についてだが、
     事前知識もなしに突入するのは
     無謀としか言えん。
     俺が集めた情報を全て話そう。
     塔の中には上に登る階段と、
     下に降りる階段がある。
     上に行けば天界へ、
     下に行けば冥界へ行ける。
     どうやら二十階につき一匹
     強力な生物が『結界』を張って
     『時空を歪めている』らしい。
     それと、恐らく塔に近付く者の数を
     調節するために、対処せず挑戦すると
     『呪い』をかけられて、
     二度と近付きたくなくなるそうだ。
     君達は呪いについては対処済みだな。
     『時空の歪み』についてなんだが、
     中では『時が止まっている』らしい。
     これは実際に体験してくれればわかるだろう。
     そして『空間』だ。
     構造上、有り得ないことが起きる。
     次の階段までは一本道なんだが、
     階段を登っても登っても上に辿り着かない。
     外の景色はかわるから
     登っているのは確かなんだがな。
     これも体験してくれればわかるだろう。
     塔の中には謎の生物、
     恐らく下級の天族と冥族が
     うようよ居て、襲い掛かってくる。
     あの塔は『異世界の一部』なんだろう。
     ・・・さて、問題だ。
     天界と冥界、どちらに行く?」

マリー「うーん、ハルマゲドンを阻止するよう
    直談判するんだから、どっちにも
    行かなくちゃいけないわよね・・・」

ノウ「まずは天界に行こうよ。
   ほら、僕、一応天族だし。
   というか『元』神様だし」

ミハエル「・・・わけのわからねえのが
     一人居ると思ったら、神ときたか」

ノウ「『元』ね。僕を天界に連れて行ってくれたら、
   詳しい事情を説明してあげてもいいよ?」

マリー「ぐ、ぐぬぬ・・・。
    わかったわ! 天界に行きましょう!」


マリーが決断した。と、その時、
部屋の扉がコンコンとノックされる。


従業員『支配人、ご友人をお連れしました』

シルバー「おう、通してくれ」


中に入ってきたのは、
スコルピオ、ジャギー、ベイオネットの三人だった。


マリー「あれっ!? 貴方達、
    なんでここに居るの!?」

スコルピオ「そりゃこっちの台詞だクソガキ。
      なんでお前らがここに居るんだよ」

シルバー「俺がお嬢ちゃん達の
     『助っ人』として
     お前達三人を呼んだんだよ」

スコルピオ「帰る」

シルバー「まあ待てってスコルピオ!
     『本当の不老不死』のためなら
     手段を択ばないと決めたのはお前だろ。
     今から事情を説明するからよ」

スコルピオ「ッチ、正確に簡潔に話せよ」


場面暗転。シルバーがスコルピオに事情を話す。


スコルピオ「・・・そうかよ」

シルバー「な? スノウマンも居ることだし、
     ハルマゲドンの阻止に協力してやれ」

スコルピオ「馬鹿馬鹿しい。その話、
      色ボケ吸血鬼の
      推測でしかねえじゃねえか」

シルバー「おい、誤魔化すなよ。
     不死者同盟でもハルマゲドンは
     秒読みだって話になっただろ」

スコルピオ「・・・クソが。あとなあ、
      スノウマンは関係ねえだろ」

シルバー「あるだろ。お前達恋人同士なんだから」

スコルピオ「なッ!?」

ジャギー「あのー・・・。
     貴方達が恋人同士だというのは
     周知の事実なので、
     誤魔化さなくてもよいかと」

ベイオネット「貴様らの惚気に付き合う気はない。
       さっさと計画を立てろ大馬鹿者」

スコルピオ「ったく・・・。
      で、なんだその大荷物は。
      お前ら『袋』も持ってないのか?」

マリー「『袋』・・・?」

スコルピオ「スノウマンに師事してもらってるくせに
      錬金術も学んでないのかよ、クソガキ」

マリー「うっ、うるさいわね!
    今までいっぱいいっぱいだったのよ!」

スコルピオ「そーかよ。『魔法の袋』を作らねえと
      話にならねえ。俺達のは貸してやらねえ」

マリー「『魔法の袋』?
    どうやって作ればいいの?」

スコルピオ「言葉通り『なんでも入る魔法の袋』だ。
      どんな大きな物でも、
      どんな重たい物でも、
      吸い込まれるように袋に入っていく。
      なにを入れても重さは
      5kg程にしかならない。
      袋の材料は水の国の『ユミカ海路』を
      通った先にある『海底洞窟』の
      奥深くに住む『ユミカ鯨』の胃袋だ」

マリー「すっごく便利じゃない!
    師匠、なんで今まで教えてくれなかったの?」

ミハエル「『便利』は『怠惰』に繋がるからだ。
     お前達はまだ楽していい身分じゃねえ。
     もっと修行に励むべきだ」

マリー「うぅ・・・」

スコルピオ「『魚人飴』を作る必要があるな」

マリー「なにそれ?」

スコルピオ「海中で移動できるようになる薬の一種だ。
      眼球を薄い膜で覆い、一時的に『エラ』が
      生えてエラ呼吸できるようになる。
      要するに『魚人化』する薬だクソガキ」

マリー「うーっ。イリス、魚人ってなんなの?」

イリス「亜人の一種だよ。海に住んでる。
    私達のことを敵と見做して
    排除しようと攻撃してくるだろうね」

マリー「『魚人飴』の材料は?」

スコルピオ「スノウマン、本当にこいつを
      弟子にしてるのか?
      物を知らなさ過ぎるだろ」

ミハエル「こいつは魔法を伸ばすべきだから
     今は取り敢えず場数を踏ませてんだよ。
     調薬はお前の足元にも及ばねえぜ」

スコルピオ「・・・あっそ」

ミハエル「マリー、サララ、イリス。
     『魚人飴』の作り方が載っている
     参考書をやるから、自分達でなんとかしろ」

三人娘『はい!』


スコルピオ、ジャギー、ベイオネットが加入。
魚人飴を作成後、ユミカ海路へ。


マリー「さて、飴を舐めてっと・・・。
    うっわ、なにこれ・・・。
    しょっぱいけど甘い・・・。
    滅茶苦茶不味い・・・」

ミュコ「おいしいね!」

サララ「ミュコ、貴方、味覚が変よ・・・」

ミュコ「ふえ?」

ステファン「味覚は矯正中なんだ。
      中々良くならなくてね」

ノウ「僕もお手上げさ。
   食べられるものならなんでも
   『美味しい』判定だからね」

イリス「うーん、ある意味では
    見習うべきかも・・・」


ユミカ海路を進み海底洞窟へ。


サララ「大きな生物の骨があるわね。
    死んだら元素に
    還元されるんじゃないの?」

イリス「ユミカ鯨の骨かな。死期を悟ると
    魔力を使って自らを『食肉化』して、
    身体は海の生きもの達の食べものや
    道具になる。これも還元の一つだね」

マリー「あっ、魚人がこっちに来たわ」


魚人が険しい顔をして近付いてくる。


魚人『立ち去れ。ここは弱肉強食の世界。
   忠告はしたぞ、陸の者よ』


そう言うと、振り返りもせず去っていった。


スコルピオ「で、どうするクソガキ。
      大人しく帰るか?」

マリー「いいえ、行きましょう!」


最奥にユミカ鯨を発見。


ミュコ「うわー! おっきい!」

ユミカ鯨『お、お、たべもの、
     こんなにたくさん』

マリー「あたし達は食べものじゃないわよっ!」

ユミカ鯨『いただきまああす!』

サララ「意外とお行儀良いわね」

ペトロフ「感心してる場合じゃないよっ!」


ユミカ鯨と戦闘。戦闘勝利後、イベント。


マリー「ふうっ・・・。
    か、勝ったけど・・・」

イリス「魚人達が見てる・・・」

サララ「凄い数ね・・・」


魚人の一人が近付いてくる。


魚人『陸の者よ、目当てはユミカ鯨か?』

イリス「はい。胃袋が欲しいんです」

魚人『胃袋。では残りは我らにくれないか?』

イリス「えっ、構いませんけど、
    ユミカ鯨を殺した私達を
    殺しに来たのではないのですか?」

魚人『海は弱肉強食。
   法を作るも無法で生きるも己次第だ。
   ユミカ鯨の肉は極上の肉。
   それも若い個体となれば、垂涎ものだ』

ノウ「『漁夫の利』ってヤツかい?」

魚人『・・・そうだな』

マリー「ノウ、あんた言動を改めないと、
    いつか背中から刺されるわよ・・・」

スコルピオ「いつまでここで喋るつもりなんだよ。
      早くシルバーのところに戻るぞ」


グルメパレスに戻る。


シルバー「おう、首尾は?」

スコルピオ「上々だ」

シルバー「次は『アタノール』だな」

マリー「『アタノール』?」

シルバー「錬金炉、って言った方がいいかね?
     お嬢ちゃん達一人一人に合わせた
     武器や防具、装飾品を作れるようになる。
     ま、腕のいい鍛冶職人も必要だが・・・」

ジャギー「私のことですね」

三人娘『えっ!!』

ジャギー「皆さんに相応しい武具と防具を
     考えておきます。装飾品もね。
     材料さえあれば、
     いくらでもお作りしますよ」

マリー「ジャギーさん、ありがとう!」

イリス「で、アタノールはどこに?」

シルバー「ドーバ市だな。
     社会見学として一度訪れた方が良い。
     ま、今日はここでゆっくり休んでいきな」

三人娘『はいっ!』

ミハエル「スコルピオ、
     あとで外に来い。
     待ってるぜ」

スコルピオ「・・・わかった」


スターダスト一行はレストランで食事を摂る。


お紺「あら? 静かだと思ったら、
   パトリシアさんが居ないねえ」

イリス「本当だ。パトリシアったら、
    私の背後霊のくせに、
    勝手にどっかに行ったり
    消えたりするんだよね。
    この感じだと外に居るのかも」

ペトロフ「わかるの?」

イリス「うん。なんとなくだけどね。
    居場所とか状態がわかるよ。
    パトリシアが意識して気配や
    感情を消している時はわからないんだ」

サララ「背後霊と主人ってそういうものなの?」

イリス「うーん、一応『ネクロマンサー』、
    つまり死体や霊体を用いて
    術を使っている状態ではあるのかな。
    一応、主従関係があるみたい」

ミミン「ミューウ、ミュウミュウ」

ミュコ「『さがしたほうがいい』
    っていってるよー?」

イリス「・・・そうだね。
    食事の途中だけど探してくるよ」

ローディ「僕が着いて行こうか?」

イリス「ううん。一人で平気。ありがとうね。
    皆、私を待たずに
    食べ終わったら休んでね」


イリスはグルメパレスの外に出た。


イリス「・・・こっちかな?」


パトリシアはすぐに見つかった。
人差し指を唇にあて、『しーっ』と小さな声で言う。
イリスがそっと近付くと、パトリシアが指差す先、
ミハエルとスコルピオが抱き合ってキスをしていた。


イリス「キスしてる・・・」

パトリシア「もう十分はあの調子よ・・・」

イリス「邪魔しちゃ悪いよ。帰ろう?」

パトリシア「嫌よっ。人の恋路程
      面白いものはないんだからっ」


ミハエルとスコルピオが身体を離す。


ミハエル「フウル、もう息ができねえよ」

スコルピオ「俺はやっと息ができた心地だよ」


『フウル』と呼ばれたスコルピオが答える。


ミハエル「ペトロフを利用すれば、
     『本当の不老不死』に
     なれるかもしれねえな」

スコルピオ「あの小娘を弟子にしたのもそのため?」

ミハエル「半分はな。もう半分は、
     純粋にあいつに
     魔術の才があるからだよ」

スコルピオ「本当に、それが理由?」

ミハエル「ん?」

スコルピオ「女の身体の方が
      善くなったんじゃないのかよ」

ミハエル「あ?」

スコルピオ「子供ができない男同士なら
      好き勝手できるから、
      俺に『愛してる』なんて
      言うんじゃないのか?」

ミハエル「俺を怒らせたいのか?」

スコルピオ「怒ってるのは俺だろ!?
      ずっと一緒に居たい。
      ただ、それだけなんだ。
      五百年前、初めて会った時から
      その気持ちはかわらない。
      そんな俺が重たくなって、
      面倒臭くなったんじゃねえのかよ!
      だから『同盟』なんて作って、
      俺を長にして、あの二人に押し付けて、
      五年に一度しか会えなくなって、
      でも、それも、会えなくてっ!」

ミハエル「泣くなよ、フウル。
     詫びになんでもするからよ」

スコルピオ「・・・馬鹿。抱きしめろよ」

ミハエル「わかった」

スコルピオ「・・・あっ、ん、馬鹿!
      触っていいとは言ってない!」

ミハエル「そんなこと言ったって、
     さっきから足にあたってんだよ」

スコルピオ「触る、ぅう、なって・・・」

ミハエル「シルバーが貸してくれた
     部屋は個室か?」

スコルピオ「そうだけど・・・」

ミハエル「あのクソジジイ、覗き見しそうだな」

スコルピオ「連れ込み宿あんの? ここ・・・」

ミハエル「ない」

スコルピオ「じゃあ、ここでしてくれ」

ミハエル「本気か?」

スコルピオ「早くしてくれよ」


がさがさと茂みの擦れ合う音がする。


イリス「・・・邪魔せず帰ろう」

パトリシア「そうね・・・」


イリスとパトリシアがレストランに戻る。


ミミン「ミュミューッ、ミュッ!」

ミュコ「イリス、おかえり! ミミンちゃん、
    『さがしてよかったでしょ』だって!」

イリス「た、ただいま。そうだね、ハハ・・・」

サララ「顔が真っ赤だけど、大丈夫?」

イリス「うん・・・。明日に備えて、
    今日はゆっくり休むよ・・・」


衝撃の事実をイリスの胸に、
グルメパレスでの夜は更けていった。





だんだん、オマケに書くことがなくなってきました。

キャラチップについて少し語ります。

キャラチップとは、
キャラクターの歩行グラフィックのことです。
私が作っているのは8方向対応のもの。
1キャラ作るために24つの絵を描く必要があります。
ドット絵なので『打つ』が正しい・・・?

どうしても拘りたかったので、独学で勉強しました。
腕はメキメキと上達した、と思います。多分。
マップチップ(背景)はとっても素敵な素材屋さんから
買いました。総額2万くらいですが、
趣味にかけるお金だと考えたらめっちゃ安い!

で、そのマップチップと違和感なく馴染むよう、
素体(マネキン)を作ってあーだこーだ試行錯誤。
今のキャラチップが出来上がったわけです。

『ゲーム見てみたい!』という方は、
【MAGIGO 星屑のメロウ ゲーム】で
ゆーちゅーぶで検索してみてください。

ではでは・・・。
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