第1話 光一郎、天変地異に遭う
文字数 958文字
神と悪魔が棲む世界 彼らの宝は六宝珠
左の宝が下界に落ちた 地上に落ちたそのつぶて 世界を変える白つぶて
狙うは闇の化生たち タタンと奴らを斬り捨てて 夕べをさすらう1人の男
そう…!彼の名は……!!《左側一世》………!!!
ズドーンという轟音とともに降った何かが僕の住む街の様相を変えた。
空は赤く燃え、山が崩れ、海が街を飲み込みビル群がなぎ倒された。
家族とも散り散りとなりついに終わりを迎える時がきた。
僕の中を様々な思いが駆け巡る。お父さん、お母さん、淳のやつは無事だろうか。
洋子ちゃんに会いたいなぁ。
こんな事になるならあのいばりん坊の中学生にガツンと一発かましてやれば良かったなぁ…
気がつくと僕は路地裏に倒れていた。
小便臭さとカラスの鳴き声が僕の目を覚まさせた。
少年はアッと驚いた。
ビルがある。人がいる。何よりも自分が生きているのだ。
「生きている!」
僕は人目も気にせず騒いで走った。みんな生きているのだ。無事だったのだ。そう思うと走らずにはいられない。
ーー少年が周りに違和感を持つのはもう少し後のことである。ーー
僕はまた路地裏に入り込んでいた。おかしいな、こんな道はなかったはずだ。
知らない建物が並んでて一向に家に着かない。それどころかどんどん道が入り組んでから遠ざかっていく。
フウフウといいながら汗を払っていると叫び声が聞こえた。
奥に進んでいくと女の人が全身黒色の男に襲われていた。
がっしりとした体型の奴だがよく見ると顔がない。目も鼻も口もまるで黒く塗りつぶしたかのようだった。
僕はヒィッと声を上げながらも、
「何をやっているんだ。その人を離せ!」と近くにあった石をぶつけた。
すると男はウフウフと気味の悪い笑い声をあげて女の人を締め上げた。
首と胸の間から大きな口が開いて女の人を食べようとしている。
ああ、もうだめだ、食べられてしまう。
僕は恐怖でへたりこんでしまった。
女の人の胸に男の牙が当たったと思ったその時!
捕まっていたはずの女の人が消えていて黒い男の両腕が地面にボトンと落ちた。
「うおー!誰だ、俺の食事を邪魔するやつは!」
その言葉に答えた男がいた。
そう、彼こそが《左側一世》であった。
左の宝が下界に落ちた 地上に落ちたそのつぶて 世界を変える白つぶて
狙うは闇の化生たち タタンと奴らを斬り捨てて 夕べをさすらう1人の男
そう…!彼の名は……!!《左側一世》………!!!
ズドーンという轟音とともに降った何かが僕の住む街の様相を変えた。
空は赤く燃え、山が崩れ、海が街を飲み込みビル群がなぎ倒された。
家族とも散り散りとなりついに終わりを迎える時がきた。
僕の中を様々な思いが駆け巡る。お父さん、お母さん、淳のやつは無事だろうか。
洋子ちゃんに会いたいなぁ。
こんな事になるならあのいばりん坊の中学生にガツンと一発かましてやれば良かったなぁ…
気がつくと僕は路地裏に倒れていた。
小便臭さとカラスの鳴き声が僕の目を覚まさせた。
少年はアッと驚いた。
ビルがある。人がいる。何よりも自分が生きているのだ。
「生きている!」
僕は人目も気にせず騒いで走った。みんな生きているのだ。無事だったのだ。そう思うと走らずにはいられない。
ーー少年が周りに違和感を持つのはもう少し後のことである。ーー
僕はまた路地裏に入り込んでいた。おかしいな、こんな道はなかったはずだ。
知らない建物が並んでて一向に家に着かない。それどころかどんどん道が入り組んでから遠ざかっていく。
フウフウといいながら汗を払っていると叫び声が聞こえた。
奥に進んでいくと女の人が全身黒色の男に襲われていた。
がっしりとした体型の奴だがよく見ると顔がない。目も鼻も口もまるで黒く塗りつぶしたかのようだった。
僕はヒィッと声を上げながらも、
「何をやっているんだ。その人を離せ!」と近くにあった石をぶつけた。
すると男はウフウフと気味の悪い笑い声をあげて女の人を締め上げた。
首と胸の間から大きな口が開いて女の人を食べようとしている。
ああ、もうだめだ、食べられてしまう。
僕は恐怖でへたりこんでしまった。
女の人の胸に男の牙が当たったと思ったその時!
捕まっていたはずの女の人が消えていて黒い男の両腕が地面にボトンと落ちた。
「うおー!誰だ、俺の食事を邪魔するやつは!」
その言葉に答えた男がいた。
そう、彼こそが《左側一世》であった。