第14話 夜のひととき
文字数 448文字
ボクが寮の食堂のテーブルで買ったばかりの図鑑を読んでるとね、部活の試合へ行ったり実家へ戻ったりしてた寮生のみんなが帰ってきて覗き込んで行くんだ。
「おー、ボクトくん。きれいな図鑑だね」
「うん。今日買ってきたの」
「あら、ボクトくん、それって翡翠?」
「そうだよ。ミコちゃんの目が翡翠色だって分かったからこの図鑑にしたの」
しばらくみんなしてボクの図鑑を読んでてね。その内誰もいなくなった時にミチルちゃんが帰ってきたんだ。
「ミチルちゃん、お帰りなさい」
「・・・うん。ただいま」
「お父さんとお母さん、お料理食べてくれた?」
「・・・お母さんだけ。お父さんは美味しくないって」
「そう・・・いじめられたりしなかった?」
「お母さんが一緒だったからね」
「早く3人で暮らせるといいね」
「ボクトくん、あのね」
「うん」
「ボクトくんはお父さんもお母さんもいないけど、わたしは居てもいないのと同じ」
「ミチルちゃん・・・」
「わたしの家族は、居るけど居ないのと同じ・・・」
あ。
涙で濡れるとミチルちゃんの目もグリーンなんだね。
「おー、ボクトくん。きれいな図鑑だね」
「うん。今日買ってきたの」
「あら、ボクトくん、それって翡翠?」
「そうだよ。ミコちゃんの目が翡翠色だって分かったからこの図鑑にしたの」
しばらくみんなしてボクの図鑑を読んでてね。その内誰もいなくなった時にミチルちゃんが帰ってきたんだ。
「ミチルちゃん、お帰りなさい」
「・・・うん。ただいま」
「お父さんとお母さん、お料理食べてくれた?」
「・・・お母さんだけ。お父さんは美味しくないって」
「そう・・・いじめられたりしなかった?」
「お母さんが一緒だったからね」
「早く3人で暮らせるといいね」
「ボクトくん、あのね」
「うん」
「ボクトくんはお父さんもお母さんもいないけど、わたしは居てもいないのと同じ」
「ミチルちゃん・・・」
「わたしの家族は、居るけど居ないのと同じ・・・」
あ。
涙で濡れるとミチルちゃんの目もグリーンなんだね。