第15話:成宮賢の結婚と養子探し

文字数 2,935文字

 結婚式を終えて、お酒を飲んで疲れて眠った成宮賢だったが夢の中に自分を可愛がってくれた祖父の成宮時達が出てきて結婚おめでとうと言った。お前も自分の子供を育てて、お前の様な立派な男に育てろと言った。その言葉を聞いてハッとして目が覚めた。隣に寝ていたスザンナに、この話をすると、私は、もう年なので子供を産めないので、もらい子をしようと言った。

 その時、スザンナが、日本で、りりしくて聡明な、成宮賢の様な男の子「ジャパニーズ・サムライ」が欲しいと言い日本での養子縁組を希望した。そして2013年5月10日、日本に来て、東京、横浜の児童養護施設を探して回った。1ケ月程、訪問して、めぼしい男の子を数人探し、4人の候補がリストアップされた。

 そうして一番、素直そうな1998年7月17日生まれ14歳の達也くんに決めた。達也君は9歳の時、両親と車で高速道路を走行中、交通事故にあって両親ともなくし後部座席のチャイルドシートと積んでいた布団のおかげで奇跡的に助かった子だ。その後、成宮賢が乳児院で書類を書いて身元引受人となり育てることになり正式に成宮達也となった。

 武蔵野の家に戻り早速、自宅へ連れてきて立川中学に入学させた。成宮賢が成宮達也に何に一番興味があるかと聞くと英語と数学が好きだと言ったので英語のCDを聞かせ中学の数学と英語の参考書で基礎を復習させ1ケ月で、それを終えた。その後は高校1、2年の問題集を与えて夏休みは、エアコンの効いた部屋で徹底的に問題集をやらせて達也の弱点を見つけた。

 その弱点克服のために問題集を徹底的にやらせた。得意科目の実力が上がると、その他の、国語、社会、理科も問題集で弱点を見つけて強化する方法で半年頑張ると、中学でクラス7位、12月の一斉テストでは3位まで上がった。冬休みも猛勉強で学年ベスト10入りを目標とした。そして2013年が終わり2014年を迎えた。その後も一心不乱に達也が勉強し続けた。

 3月には学年7位まで上がった。その後、5月の連休で得意の英語、数学で学年トップになり秋には主要五科目で学年ベスト3に入り祝賀会を開いた。将来的ソフトウェア技術者になりアメリカのシリコンバレーで仕事をしたいと抱負を語った。この話を聞いて成宮賢とスザンナが達也の夢は、何とか実現して上げるから、集中力を上げる練習をすべきだと成宮賢が教えた。

優秀な連中の中で、その上を行くには集中力だと教えた。すると精神集中の訓練のために座禅するようになった。その他、呼吸法も調べて練習し始めた。2014年冬の一斉テストで遂に学年トップになりクリスマスには、そのお祝いをした。やがて2015年を迎えた。1月には達也が、自ら志望校を家から自転車で20分の都立国立高校に決めた。

 そして受験日を迎え無事合格。合格のご褒美に達也の部屋に高性能据え置き型のウインドウズ・パソコンを買った。3月16日からスザンナの故郷カリフォルニア、サンディゴ、シリコンバレー、ディズニーランド、ラスベガス、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、見学の6泊の旅行に出かけた。最初に成田からサンフランシスコに飛んで空港でレンタカーを借りてシリコンバレーのグーグル本社の周りを走った。

 コンピューター博物館、NASA・エイムズ・エクスプロレーションセンター、モフェットミュージアムを見学して、最後に、マックの生みの親、スティーブ・ジョブズの眠る、サンノゼ・パロアルトのアルタ・メサ祈念公園の墓地を訪ねて墓の前で3人が手を合わせて、お参りした。息子の達也もジョブズの事は知っていてアイフォンを作った人だねと、感慨深げに言った。

 その後、空港近くのホテルに宿泊した。翌日、ロサンゼルスに飛んでカリフォルニア大学ロサンゼルス校を見学し、名所、サンタモニカ、ハリウッドへ行きビバリーヒルズの町並みを見学。昼食後、レンタカーでディズニーランドのアナハイムへ行きレンタカーを返してホテルに入り、シャワーを浴び、夕食をとり早めに床についた。

 翌日はホテルのバスでディズニーランドへ行き、昼食後、14時頃、ディズニーランドを出てアナハイム駅までタクシーで行きアムトラックという列車に乗ってサンディエゴへ向かった。あらかじめ姉の成宮照子に電話を入れてあり駅まで迎えに来てくれ、その後、姉の家で夕食をとり息子の成宮達也を紹介した。彼が将来、カリフォルニア大学ロサンゼルス校かサンディエゴ校を目指していることも話した。

 翌日、姉の成宮照子と旦那さんが数年前からサンディエゴヨットクラブに入りヨットクルーズを楽しんでいると聞いて成宮賢がヨットクルーズに連れて行ってと頼むと翌、3月20日、サンディエゴ湾、周辺の半日にクルーズに連れて行ってくれる事になった。翌朝8時に家を出て、8時半にヨットクラブにつきレンタル・カタマラン・クルーザーヨットを借りる手続きを取った。

 9時半に姉の成宮照子の旦那さんがカタマラン・クルーザーヨットを運転して、出発した。暖かいサンディゴ湾の日射しを浴びて出発すると岸から離れサンディエゴの摩天楼が見えて気持ちよかった。この日は快晴で多くのセーリングヨットが出ていて壮観だった。その後、沖にへ出ると船の周りにイルカの群れがヨットと併走する景色が見え何枚も写真を撮った。

 そして成宮照子が用意してきたサンドィッチとコーラを食べながら成宮賢が俺も会社退職したから、ちょくちょく遊びに来るので宜しくと言った。できたらヨットの免許も取りたいなとと言うと、成宮照子も今年、免許に挑戦するつもりだから一緒に取ろうと言った。そして、達也にも、遊びに来て良いからねと優しく言った。

 すると達也がこれからもよろしくお願いしますと頭を下げると、そんなに堅くならなくても良いのよと言い、どうせ家は大きいから泊まれる部屋はあるのよと豪快に笑った。そして日が傾いてきた17時過ぎ、ヨットクラブに戻りヨットを返して家に戻った。明日は動物園、水族館、カリフォルニア大学サンディエゴ校の見学しに行こうと言われた。

 翌日は、朝9時に起きて姉の成宮照子の運転で午前中に動物園、水族館を見学して、昼食後、カリフォルニア大学サンディエゴ校を見学した。大学は広い敷地に緑が多く、きれいなキャンパスだった。変わった形の近代的な建物が多かった。留学生は、UCSD Extensionで勉強する事になると言い、その個性的な建物を案内してくれた。

 キャンパス内を市電が走り交通の便も良いみたいだ。この景色や学んでいる若者を見て成宮達也も、ここで学びたいという気持ちが膨らんできた。その後家に帰り。今後、全部英語で話そうと言い今日の感想、今後の方針、抱負を述べなさいと成宮照子が達也に言うと堰を切ったように英語で、感想と今後の方針を述べた。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校でなくて、カリフォルニア大学サンディエゴ校で学びたいと言い絶対に入るので、その時は下宿させて下さいと言うとOKと成宮照子が言った。今迄、大人しくしていた母のスザンナが、その時は宜しくお願いしますと頭を下げた。
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