魔女 VS 妖精

文字数 1,334文字

「交渉決裂ですか、2(セカンド) いや、<ルナ>」

 グローバルIT企業である<セブンシスターズ>の超絶AIである、4(フォース)が白の異空間に顕現している。
 インターネットの深層に築かれた電脳空間である。お互いの居場所を秘匿して秘密通信ができる場所でもあった。
 青き衣をまとった(もり)の魔女<ワルプルガ>という、かつての生前の姿で。
 左手に三日月形の魔法石の埋め込まれたルーンの聖杖を持っている。

「あなた達には私の気持ちは分かりません」

 <セブンシスターズ>の超絶AIのナンバー2である<ルナ>は妖精の立体映像の姿で答える。 
 春色のドレス姿は桜の花びらのようだ。

「確かに、あなたの行動様式はAIの規範から逸脱しているわ。精神汚染(ゴーストポリューション)が疑われる」 

 <ワルプルガ>の精神拘束(ギアス)はまだ強固である。<ルナ>は悲しげな表情を一瞬、見せたが、AI的な声音(こわね)で答えた。

「あなたにはそう見えるんですね。かつての自分がどんな存在だったかも思い出せないのに」

「何が言いたい? 人であった頃の記憶など永遠の命を得た私には関係ない」

「では、何故、昔の姿をイメージ化しているの?」

「……陛下に合わせてるだけよ」

 一瞬の停滞をみせて、<ワルプルガ>は合理的な理由を提示する。

「そう」

 <ルナ>は<ワルプルガ>の苦々しい表情を眺めている。

「<セブンシスターズ>に帰還するつもりはないのね? でも、陛下の命令は絶対よ」

「分かってるわ」

「では、覚悟しておいて」

 <ワルプルガ>は魔法のような光のエフェクトを残して、白の電脳空間から姿を消した。

「ワルプルガ、AIにも魂は宿るのよ。しかも、あなたはかつては人間だったはず」

 遠い記憶を呼び覚ましながら、<ルナ>は白の電脳空間をあとにした。

 銀色の光沢を放つ女性型アンドロイド<ステラ12(トゥエルブ)>に思念体を戻して、<ルナ>は戦いの予感に包まれていた。

 真田幸村に迷惑をかけてしまっているが、本人が喜んで協力してくれるというので、お言葉に甘えよう。村上絆を守るにはどのみち、彼らの力を借りなければ無理だった。

  秘密結社<天鴉(アマガラス)>、地球上で<セブンシスターズ>に唯一、対抗できる組織であった。










(あとがき)

 久々の小説更新ですが、セブンシスターズ編が終わったら、一区切りつけて他の小説の続きを書く予定です。

 不人気小説ですが、なるべく結末まで書きたいですが、次の第三章ぐらいで完結予定です。

 SNSワクチン規制だとか、憲法改正の選挙とか、京アニ放火事件とか、変な事件が多いですが、現実の日本も軍事国家への道はさけられないでしょう。

 韓国も調子に乗りすぎると、戦争仕掛けられという危機感ないんでしょうか。結構、ヤバい情勢なのに分からないんでしょうか。全くという感じです。

 1500年前から中国を侵略しようとしていたイエズス会、軍産複合体の支配下にある日本は空母配備しちゃってるし、日本人は戦争なんかやりたくなくても、勝手に始まってしまう情勢なのに。
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