第二幕(2)

文字数 261文字

僕はハース・レム・イル・エストラヴェンを見る。
暖かくほの暗い、円錐形のテントのなか。

僕の隣で彼は眠っている。ほんの少し口をあけて、ちょっと、おまぬけな顔で。寝袋を半分脱いだまま、うっすらと汗をかいている。僕のためにストーブの温度を高くしてくれているので、彼には暑すぎるのだ。


おはよう。
(ぼんやりとのびをする)おはよう。
快晴だよ。
(あくびする)すばらしい。
太陽が木のこずえを金色に染めていた。
朝食後すぐに出発。針葉樹の林にそって進み、やがて踏みこむ。

ゲセンの冬は明るい。苛烈に明るい。どこまでも続く雪と氷が、白く、目を射る。

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登場人物紹介

ゲンリー・アイ

地球出身。惑星同盟《エキュメン》の特使。惑星《冬》ことゲセンに単身降り立ち、カーハイド帝国の皇帝に開国をうながす。長身。性格は誠実で直情的。推定される容貌はアフリカ系。男性。

セレム・ハース・レム・イル・エストラヴェン


ゲセン出身。帝国カーハイドにおける《王の耳》(宰相に相当する最高実力者)。ゲンリーの使命の重要性をただ一人理解する。やや小柄(ゲセン人の平均的体躯)。性格は慎重かつ大胆。推定される容貌はアジアあるいはエスキモー系。中性(両性具有)。

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