Part1.人生はリソース配分ゲー

文字数 11,866文字

はい。というわけで、人生をゲームに見立てて攻略本を書けとムチャ振りをされました。
まあ、編集者というものは常に無茶ぶりをしてくるものです。夏目漱石でゾンビを書けとか、やくざでキリスト教を書けとか。
しかしまー、俺も作家であると同時にゲームクリエイターでもあるので、適材適所かもしれません。今もボードゲーム作ってるしね。
で、どうやってゲーム化するか、まず考えてみたところ、ゲームであるからには目標が必要だと思ったんですよね。勝利条件ね。
でもまー、勝利条件つっても明らかに人によって違うんですよね。家族に看取られて布団で大往生が勝利条件の人もいれば、会社を一部上場させるのが勝利条件の人もいるだろうし、世界征服が勝利条件の人もいる。
っていうか、大体の人は勝利条件なんて設定して生きてないから、「あなた、何達成したら人生に勝利したって思いますか?」って言われても困ると思うんだよね。
というわけで、考えたのが「幸福度ハイスコアを狙う」というゲーム性。人生が終了した時点で一番幸福度を多く稼いだプレイヤーが勝ち。
で、人生には寿命があるので、こいつが有限リソースね。人によって違うけど長かったら100年くらい? 短かったら40年とか50年とか。イベント「病気」「事故」とかでもっと短くなることもあるけど、この時間リソースが消費し尽くされた時点でスコア計算(どんだけ幸福ポイントを稼いだか)に入る。
なので、有限リソースである「時間」をどのように使用して、スキル獲得、パラメータ上昇、イベント発生をこなしていくか、そしてその結果、どうやって幸福ポイントを稼いでいくか、というゲームシステムになるんじゃねえかな、ってのが今の構想。
ベースはこんな感じで行こうかなって思うんだけど、至道先生、こっからどうしよ……。
勝手に書き込んでもいいと書いてあったので割り込みを……。
富、名声(地位)、愛(家族等)あたりの下位互換のパラメータをゲーム終了時or前に幸福度に換算するとかもありかもですね。

takigutir

>takigutirさん
プレステで言うところのトロフィー、XBOXで言うところの実績みたいなのはイメージしてました。
「トロフィー:一部上場」「トロフィー:国民栄誉賞」「トロフィー:家庭円満」みたいな。
トロフィー⇛幸福スコアへの換算率は、それまでの獲得スキルとかによって変化するんじゃねえかなー。悟り系のスキルを取りすぎると、↑のトロフィーのスコア換算がほとんどゼロになるとか。
「今回は俺は愛に生きるプレイをするぜ」
「初期のランダム要素で名誉稼げそうだから目指してみるか……」
みたいな勝利条件を満たすプレイスタイルの選択肢が多いのは面白そうですね

takigutir

富に関しては初期パラーメータでかなりプレイヤー間格差があるけど、むしろ貧しいなら貧しいでスコア計算時の「富」⇛「幸福スコア」の換算率が良くなる。
お金がたくさんあったら、寄付をすることにより名声と自尊心を得ることができ、ほぼお金とスコアを等価交換できる。実は裏技でお金がない人が寄付をした方がお金⇛スコアの換算効率が高い。
さらに寄付は適切なタイミングで行うと、宣伝効果も発揮でき経済効果を産むことも可能。
寄付でお金をEXPに換算できるウィザードリィはよく出来ている……。
どもども。
ぼくとしては子供のころに考えていたような話で、久々にガッツリやれそうな実用書企画が舞い込んできて結構嬉しいです。
先日の版元さんとの打合せでは、人生を一つのガッツリしたものと想定して色々考えたじゃないですか。
それも一つの方法なんですけど、一個の人生として考えるよりも、何度もプレイングできるという視点で考えてみるのもよさげです。
現時点の人生のベースを提示して、そこから何度も頭のなかでシミュレーションできるような選択を提示してと……。
あと勝利条件についても突き詰めて考えてみまして、

我々、いろいろ勝利条件について頭を巡らせたじゃないですか。
でもですよ、実は人間ってかなり相対評価で決まるんじゃないかなとも思えるわけです。

つまり一人の人間としての根源的な勝利条件って実はみんな漠然としてて、周りと比べてどうだったかということが、人生の勝敗を決めてしまうと思うのですよ。シリアで今を生きている若者たちと、日本人の若者たちとの間に、どちらがすごい幸福かっていうことではなくて、どっちも幸福の上限と下限はある程度おんなじで、自分が目に見える範囲で勝ってるか負けてるかって重要だと思えるんですね。

なんだか人間って悲しいよね、というのを結論にしたいわけじゃなくて、
人生ゲームでの勝ち負けこそが、勝利条件を決めるんじゃないかと思うのです。
自分が決められるわけじゃなくて、周りとの評価で決まると。

ということは、まさに人生のボードゲームを形にすることに向いているように思うわけです。
わかりづらい流れの話で申し訳ないです。
り、りせっと……?
人生にリセットはないと言われるけど、部分的にはあるよね。
自己破産とか。>何度もプレイングできる
勝利条件の設定は一つの課題だと思うのですが、
それが主観で決まるわけじゃなくて、
周囲との比較上で決まるんじゃないかなということが言いたかっただけです。

その俗人たちのラインから卒業した人が、いわば悟りコースなんだと思われます。たぶん俗人から出たら、悟りが唯一の勝利コース。
至道先生の説は、つまり、幸福度スコアを競うゲーム性でおっけーってことですかね。
相対評価で決まる=人より幸福度スコアを稼ぐと幸福。
幸福なら幸福ってトートロジーみたいだけど。
まー、仮に世界の人々がみんな、おれのように気ままで自由で元気でごはんが美味しくって夜はぐっすり眠れて嫁が可愛かったりしたら、おれはとりわけて自分が幸せだとは感じないかもしれない。
ゲーム的に考えると時間リソースを全員が消化した時点で幸福点勝負、
不利な状況でも悟りを開く(高難易度)をしたら逆転でゲームを引っ返せる
みたいな感じなんでしょうか

takigutir

移動中にスマホで書いてたんで、わけのわからない話になってしまってすみません。
事務所に戻りました。
takigutirさんも是非どんどん書き込んでください。
本当に突き詰めたら、幸福度って

だと思うのですよ。

なぜなら理由はシンプルで、世界中の人がそれを満たしている人を幸せだと考えているからです。
世間の物語や歌のほとんどは愛にまつわるものです。
世間の生きるための基準は金で規定されています。

それが良いとか悪いとか申し上げたいわけじゃなくて、人生ゲームを作るときも、基準は金と愛になるんじゃないのかなと。
>takigutirさん
悟りが逆転…………ってのは微妙な気がしますね。
悟りは上手くやれば相当のスコアを叩き出せると思うけど、例えば金とか愛とかうまい飯とかに包まれて一生を終えた人のスコアとどっちが高いかって簡単には言えないっていうか、そりゃ悟り陣営は「悟りの勝ちだよ!」って言うだろうけど、実際どうなんだろうな、って。

悟りって、ちょこちょこ悟り直さないと忘れるしな……!
>至道先生
金と愛、ってのは、おれはちょっと異論があって、金ってのはあくまでリソースだと思うんですよね。
リソース「時間」を変換して生み出す第二リソースが「金」。
リソース「金」を消費して何かをすることで初めて幸福度スコアにつながるわけで、リソース「金」をたくさん貯めるだけで幸福度スコアが増すわけではないと思うんです。
……が! 中にはリソース「金」を貯めるだけで、ガンガン幸福度が増えていく人もいるにはいると思う。
愛は何がどうなって幸福度スコアにつながってるのかはよく分からないですね……。
愛が幸福度に関係していることは明白なんだけど。
>実際どうなんだろう
確かに悟りで勝利って「お前ら真面目にやってるけど俺そういうの全然関係ねーから! ノーカンノーカン!」みたいなイメージはありますね……。
悟りとは少し違いますが、狂気に染まって大量殺人鬼になるとかは本人が満足してても人生ゲームとしては失敗になるだろう、と考えると悟り(一般的な感性からの逸脱)は考えない方がいいんでしょうかね

takigutir

いやー、大量殺人鬼もアリなんじゃねえの。
トロフィーで獲得できそう。
それが本当に幸福スコアに換算できるかは、それまでのプレイング次第だと思うけど。

まあでも、版元からはダメって言われそうだな……。
ぼくも悟りを開きたいです。

たしかに客観視すれば、架神さんに同意で、金はリソースでしかありませんし、愛の中身は人それぞれです。だから、そこは完全に同意です。

申し上げたいのは、世間は客観視していないではないかということと、ここをシンプルにしないとゲーム作りが難しいのではなかろうかと思える点です。
>愛は何がどうなって
マズローの欲求段階説では、生理的、安全ときて三段階目に愛(個人からの承認)、四段階目に尊重(社会からの承認、地位や名声)がありますね。
五段階目に自己実現や、更に超越していく欲求というのが提唱されてます。
真偽はともかく、そういう欲求を程よく充足させていくのが幸福になるヒントなのかもしれません……とまるで自己啓発のような文章に。

takigutir

勝利条件 → 幸福度ハイスコア

では幸福度の中身はというと、金と愛と申し上げたのは、極端にシンプルな出発点にするための一つの案でありまして、もっとプレイスタイルやマルチエンディング方式を採り入れるのも別の方向性かと思われます。

説得材料の一つとして、マズローの欲求段階説は、たしかに有用なものです。
「マズローがこう言っている!」というのは、我々が設定した導きたい結論に誘導するための有用なツールになり得るかもしれません。
マズローを採り入れるのであれば、安全度S、愛Bとかそういう感じで積み上げることになるんですかねー?

この幸福度ハイスコアの中身さえクリアすれば、正直ありとあらゆる夢が広がっているというか、色々書けると思うのですね。先日の打ち合わせだけでも、すごく有用でしたし、ヒントがたくさん詰まっておりました。人生の各段階とか、裏技的なものとか、そういうのはどこまでも追求可能です。

唯一ぼやっとしているのが幸福度ハイスコアで、ここを最初に決めてしまうのか、それとも一時すっ飛ばして取り組むのかというのも検討すべきことなのかなと思います。
昼にボルダリングしてたせいか地獄のように眠いので今日は寝ます。
また明日書き込みます……。
それらの悩みを乗り越えるために、

「幸福度スコアはこうなっております」
というのは、面白く書くことはできそうな気がします。それはそれで方法論なのですが、もう少しあるんじゃないかなという理想を勝手に抱いてしまっているわけです。
おやすみなさい。
しばらく、お互い勝手に書き込む感じが宜しいのではないでしょうか。
そのお互いのお話を読みつつ、まとめていければと思います。
ぼくも色々整理しながら勝手に書かせていただきます。
山のような幸福度カウンターをリソース消費で登っていくとかという流用もできそうですね。
節目を超えるには伴侶とか技能、ベストセラー著書とかのイベント(アイテムカード等)を持ってなくては越えられない、とか。

あとイエスキリストや釈迦はこのゲームでは勝者敗者としてどうカテゴライズされるんでしょうね。
前者はたぶん幸福かどうかでいえば死に際的に不幸だったと思いますが、今や有名人です。これを人生としてはどう評価するのか。
このような偉人を高得点としてゲームで表現するなら、例えばゲーム前半で思想アイテム(後世評価重視等)を得てそれに表記される倍率でリソース消費時の倍率が異なる……みたいになるのかと思いますが、それをやると煩雑になるような気もしますね。

takigutir

お疲れ様です。私も観客席からヤジを飛ばすようなつもりで時たま書き込むやもしれません。

takigutir

たしかに、前者のような事例だと、この人生ゲームという観点から見れば、敗者ですよね。

自分の持論なんですが、死に際に前向きな気持ちなのか、後ろ向きの気持ちなのかによって人生決まるんじゃないかなと考えているところがあります。どういう死に方だったとしても、前向きなら勝ちなんじゃないのかなと。
だから自分の価値判断からいえば、前者の事例は敗者となってしまいますね~。
死後の名声って「人生」というゲームには入らないかもしれません。
takigutirさん、どんどん書き込んでください。
こういうお話だけに、どんな方向性からのアドバイスもインスピレーションになります。本当にありがたいです。
この企画の唯一にして最もハードルになると思われるのが、このポイント(勝利条件・幸福度スコア)などに相当する部分なので、どんなことでも結構です。遠慮なく仰ってください。
(1)幸福度ハイスコア方式

いろんな要素に幸福ポイントを設定して、それを表にまとめておき、「時間」を消費しきった時点で、その幸福度を換算する。

富とか名声とか健康とかいろいろな要素を抜き出し、ポイントを設定しておく。習得したスキルなどもポイントに分類されており、時間消費後に換算される。

点数計算が面倒そうですが、ゲームデザインとしてはやっぱりアリですかね?
(2)幾つかのゴールを提示する方式

金銭的ゴール(その時点から一生働かなくても自分が望むすべてを手に入れることができる状態)
志向的ゴール(自分が就いた仕事や趣味によって自分の欲の大部分が満たされている状態)
解脱的ゴール(悟りコースですかね?)

6~9つくらい暫定ゴールを提示して、自分が当てはまるゴールを目指す。
(3)シンプルな指標で点数計算する方式

「時間」というリソースを消費し尽くした時点において、「富」「威信」「愛」などの基本的な指標の点数計算で勝敗を考える方式。

実用書としてわかりやすく、ひとまず万人が受け入れ可能かもしれない。ただ、これだけでは捻りが足りないのも確か。

たぶん(1)の幸福度スコア設定は、これをもっと複雑にしたものになるのだろうか?
(4)対戦相手を敗北させる方式

対戦相手を設定し、その相手を敗北させる。対戦相手は疑似的な人でもいいし、実在のライバルでもいい。
ライバルと書いて友とも呼ぶわけだから、自分が乗り越えるべき敵を設定するのは悪いことではない。
よりゲームには近づくかもしれない。
(5)何段階かの勝利条件を用意しておく方式

たとえば(2)の場合は自分が目指したいものを目指すわけだが、こちらは段階やタイミングで人生の勝利宣言をすることが可能。
暫定の話ですが「現在価値に換算して〇億円の余剰資産確保勝利」とか「望みの嫁との結婚勝利」とか。架神さんはこの勝利条件の一つ「嫁」を満たしているかもなので、勝利宣言をしちゃってもいいわけです。
あ、ここを見られている方に、いちおう誤解のないように補足です。

現段階はゲームシステムを考えているだけであって、本当に人生の良し悪しとか哲学的命題を突き詰めているわけではありません。人生を、どういうゲームシステムに落とし込めるか、ということだけで割り切っています。
そこのところを絶対に誤解のないようお願いいたします。
(6)麻雀のように役を用意しておく方式

(5)が階段を上がるように段階ごとに勝利を満たせるポイントがあるとして、(6)のほうは何十とか何百とか、さまざまな役がある感じ。
好きな役を手に入れれば、あがりを宣言してOK。
ん? これは(5)と一緒か?
まぁ今は書くだけ書いておきます。
(7)所属陣営を決めて勝敗を競う方式

所属陣営は家族でもいいし、自分個人でもいいし、とにかく自分が所属する範囲を決めて、その陣営を勝たせる。
たとえば華僑の方々とかはよりこの方式に近いかもしれず、家族を勝たせるためにあらゆる手を尽くす。日本人は意外と一人か、または会社とか国家単位になったりしがち。
人生というクソゲーをどう面白いゲームにするかを考えたいのです。

たとえば本当にボードゲーム化したり、ちょっとしたゲームを開発してもいいわけですが、大前提として面白いゲームにならなくてはならない。だから燃えられるゲームシステムを考えたいのです。

ゲームシステムにおける勝利条件は外せないので、ここは面白さや納得性で一方的に我々側が設定してしまってもいいのではないかと自分は考えています。人生の過程の部分はぼくと架神さんなら幾らでもしっかり書き込めるはずだから、勝利条件の部分は、これをゲーム化したときに、どんな風に楽しい勝利条件にできるかということで割り切って考えてもいいのではないかと思うわけです。
(8)ゲームプレイヤーが、その都度、勝利条件を設定できる方式

たとえばプレイヤー4人が集まったとして、「よし、今回のゲームは政府を打倒することにしよう」とか、「今回は世界制覇な」とか、自由な勝利条件の着地点を設定できる。
ゲームシステムは定まってあって、勝利条件だけはプレイヤー間でその都度話し合って決められる。
話は少し戻りますが、幸福度ハイスコアというのは、ぼくも十分アリだと思うのですが、ゲームとして面白くなるのかなという部分に疑問点があるんですね。爽快感やピリピリ感でやや劣るんじゃないかなと考えます。
もちろん、やってみないとわからないですし、有用な方法論の一つだとは思います。
誤解する人、思い込みが強い人がどうしてもいるんで、繰り返しになっちゃいますが、本当に誤解しないでくださいね。
前にヒロインが極右の話を書いたときに、びっくりするくらいの割合で、多くの人がぼくのことを右翼だと認定したんですね。立場とか学歴とか一切関係なく、思い込む人がホント多いです。

だからとかとか書くと、また変な誤解を呼ぶと思うので、何度も説明しますが、これはゲームシステムを考えているだけです。その指標として、金と愛というのを持ち出しただけで、ぼくの持論ではありません。どうかよろしくお願いします。
(9)自分の陣営を育てていって、最後まで陣営を死守したら勝利する方式

陣営というのは、一個人であればスキルであり能力であり知性でありマネーであり威信であり……。
兵士に見立ててもいいですし、いろんな陣営から攻撃を受けるわけですが、それらを跳ね返し、最後の瞬間まで陣営を死守すれば勝ちということです。
(10)ローグライク形式で、強い武器(スキル)や防具(知性)を手に入れることに喜びを見出す方式

とくにゴールみたいなものはないわけですが、どこまでもダンジョン深く潜れていって、武器や防具を掘る作業自体が面白いみたいな感じでしょうか。
暫定的なゴールはあってもいいわけですが、武器を見て悦に浸っているのもいいんじゃないでしょうかね。
いや、もしかしたら、そもそも「面白いゲームを作る」という発想自体が間違っている……!?

しっかりした「実用書を書く」ということだけを考えたら、発想の出発点が別……?

ただ自分が思うのは、人生はそもそもクソゲーなので、面白いものだと思える(思ってもらえる・そのことを共有できる)ことが重要ではないかなと考えるのです。それを実用書に落とし込むにしても、「このゲームプレーしてえ」と思えるようなワクワク感を用意できてこそ、挑みがいのあるクソゲーになってくれるんじゃないかなと想定いたします。
おはようございます。

昨日色々書いた発想の出発点は、
人生をゲームに見立てることで面白くしたい
というところから始まったもので、

人生はこういうゲームです
という原点とは違うと思っています。

自分はそれでいいのではないかと思って昨日色々書きました。
人生をゲームとして捉えてみる視点、読み手の納得性、本としての成功、そして何より本企画に取り組むぼくと架神さんが楽しめるかどうかということを考えた場合に、原点の方面から攻めるのではなくて、思い切りゲーム作りの方面から攻めていいんじゃないかなと考えたのです。
たぶん、いずれにしても幸福度スコアを割り出す作業は必要そうです。
幸福を測る指標をどこにするかを決めなくてはならないし、どういう基準で点数を付けてしまうのかも必要。例として金と愛を挙げたのはその指標が最も単純化されたものというだけであって、20個とか50個とかの指標を切り出してもいい。

でも幸福度スコアを算定すること自体には、ゲームとしての面白みはないと思うのですよ。あと、そこを重視すると、読み手の納得性もしっかり得ることはできないのではないかと思えるのです。

実用書の書き手としては、その幸福度の指標にところどころ毒を投入したり、シュールな視点を交えたりすることで、読ませるものにはなると想定はできるのですが、どれほど突き詰めても「こうだ」という納得性を勝ち得ることは大変なのではないかと考えています。
むしろ、「これってクソゲーなんだぜ」という割り切りからはじめて、「だったら面白くしてみようぜ」という発想の転換を促し、ゲームの勝ち負けを考えられるものにしちゃったほうがいいのかなと。
万人が納得する幸福を定義する事ができたら哲学者として名を残せそうですし難しいですよね。

少しズレますが、「人生はクソゲー」と考えてしまえば「面白くするという行為」自体もこのゲームの勝利=幸福度に近い位置にある気がしてきます。
また同時に「『面白い』とはどの視点から面白いのか?」とかも考えてしまいますね。前述の通り個人の視点だと読者を納得させるのが難しいし、それぞれの視点から指標を分散させると煩雑になるだけな気はします。そう考えると実際の主観はさておき、相対的な幸福というか「誰もが羨む幸福」、「羨ましがられる事」がゲームとして見た人生の勝利を考える上で、最大公約数としてわかりやすい基準になるのかな? という風にも感じました。
例えば平和の為に命を散らした偉人は尊敬はされるものの、誰もなりたいとは思わないので人生ゲームとしては敗北側では……? みたいな感じですね。悟りについても、多くの賛同を得られた悟り(仏教等)でなければダメなのでは? という気もします。これは宇宙からの電波で100人殺して超ハッピーな殺人鬼とか、死ぬまで超ハッピーだった麻薬中毒者とかを人生の勝利者と認めない定義にもなるかな、とは思います。(その是非はおいといてゲームルールの定義として)

takigutir

ゲームシステムから見れば敗北しているけれど、プレイヤーたちには一目置かれる、そういうプレイングスタイルはあると思いますね。
設定してある勝利条件をあえて目指さないことでプレイヤーたちから注目されたり、ときにはPKとしてプレイングしたりもアリだと思います。ゲーム化して考えた場合の強みですし、そんな数々のシミュレーションを何度も繰り返せることが、自分の生き方のヒントになってくれるかもしれません。
(8)みたいなのが作れたら、何度も人生をシミュレートしてみることができますね。カルマも取り込むとプレイスタイルが広がりそうです。

世界文明をゲーム化したCivilizationみたいなゲームも作れたわけだから、人生をゲーム化させることだってきっと出来るはず。

時間軸に沿って成長しながらスキルツリーも成長させていき……お金、カリスマ、カルマが増減していって幾つかの過程を経ていくものは考えられるかも。
>至道先生

> マズローを採り入れるのであれば、安全度S、愛Bとかそういう感じで積み上げることになるんですかねー?

でも、現代日本において、生理的欲求と安全度は概ねほとんどの人間に果たされているので、そこから始めるのはあんまりなあ、という気がします。
マズローに沿うなら、社会的欲求以上の段階からではないですかね。

> 唯一ぼやっとしているのが幸福度ハイスコアで、ここを最初に決めてしまうのか、それとも一時すっ飛ばして取り組むのかというのも検討すべきことなのかなと思います。

検討していきますかね。なかなかハードそうですが……!
>takigutirさん

> あとイエスキリストや釈迦はこのゲームでは勝者敗者としてどうカテゴライズされるんでしょうね。
> 前者はたぶん幸福かどうかでいえば死に際的に不幸だったと思いますが、今や有名人です。これを人生としてはどう評価するのか。
> このような偉人を高得点としてゲームで表現するなら、例えばゲーム前半で思想アイテム(後世評価重視等)を得てそれに表記される倍率でリソース消費時の倍率が異なる……みたいになるのかと思いますが、それをやると煩雑になるような気もしますね。

イエスは敗者じゃないかなwwwwww
何と言っても、自分が受けた社会的承認を自分で自覚できていないわけで。
いやまあ、生前からそれなりに人気者だったから、全くの敗者というわけではないのかな。

しかし、一つ、ポイントと言えるところがあって、「幸福度」というのはあくまで主観であるべき、ということでしょうか。
後世の人がどう考えても関係なくて、本人の自覚によりスコアが決まる。ゴッホとかかなり点低いのでは。
>至道先生

> 死後の名声って「人生」というゲームには入らないかもしれません。

同感です。つーか、死後の名声とか知るかって感じありますよね……。
「うぇーい、これで俺は死後ちょう有名になるー、しあわせー!」とかなかなかならないような。
(11)獲得トロフィーを幸福度に換算する方式

これは(6)の役を作るのに似てますが、いっそのこと時間も金もスキルも段階こそ違えど全て目的達成のためのリソースと考える。各トロフィーには達成のための必要条件が設定されており、それらの条件をすべて満たすとトロフィーを獲得できる。時間リソースが尽きた時点で獲得トロフィーをスコア換算して合計スコアの高い人が勝ち、みたいな。
>至道先生

> いや、もしかしたら、そもそも「面白いゲームを作る」という発想自体が間違っている……!?
> しっかりした「実用書を書く」ということだけを考えたら、発想の出発点が別……?

いや! そりゃあもちろん間違ってますよ!!!
間違ってるだろうけど、とりあえずゲームを作ろうぜ、というノリなのでは。
メリットは、実際にゲームが作れるということですね!
ゲーム→実用書の落とし込みが難しかったら、そん時はまた考えましょう。
この作業はたぶん無駄にはならないはず。

>chu2byoさん
カルマというか、人生観の基盤になる何かのパラメーターが必要な気はするんですよね。
その基盤により人生観が作られるから、人生観次第で獲得したトロフィー(為し得たすごいこと)の幸福度スコア換算が変わってくるというイメージです。
だって、ノーベル賞受賞だって幸福度スコアに一律換算できるわけじゃない。
ボブディランはトロフィー「ノーベル賞」でも幸福度スコアが1点とか2点とかしか上がらないかもしれない。
それはボブディランの人生観によるもので、彼がそれまで積み上げてきた何らかのパラメーター(カルマ?)によるものなんですよね。
あー、これ、仏教用語でなんかあったんだけど、なんだっけな?
熏習だ。おれよく覚えてんな。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AB%E7%BF%92

3つの要素に分けられるんじゃないかなと思いました。

■時間
本質的にはおそらく違うと思うのですが、我々の認識としては時間は一方に流れているじゃないですか。これは万人共通の指標ですよね。誰でもこれは基盤にある。

■スキルツリー
知識・スキル・能力というのは、減ることはないじゃないですか。認知症とかで減るでしょうが、そういうのを除外すれば、積もっていくだけの要素です。これは時間を消費して積み重ねていくことができます。

■増減する要素
お金、威信、カルマ……こういうのは積み重ならず、増減していきますね。最初からプラスが大きい人もいますし、マイナスが大きい人もいます。
当たり前のことなんですが、「時間」を基盤として、「スキルツリー」と「増減する要素」をどういう風にまとめていくかという作業に集約できそうかなと思っております。

そして、どこから手を付けるかですが、「スキルツリー」を人生の中核(本ゲームのメインシステム・この実用書の核)に据えると出発点にできるんじゃないかなと。
スキルツリーは面白く作れると思うんですよ。
にやにや笑いながら読めつつも、意外と本質をついているようなスキルツリーが作れそうです。

相当に膨大で幅広くなりそうなスキルツリーを、いかにコンパクトに集約していくかが勝負な気がします。
あと、笑いながら読んでもらうために、ふざけたスキル名を与えていってもいいかもです。
スキル、知識、資格、立場みたいなものをスキル化して、中二病っぽいスキル名にしちゃってもいいですね。

超テキトーですが、たとえば……

デストロイオールリコレクション → 高校卒業
カタストロフィーオブライフ → 小説家デビュー
ファイナルディスティネイション → ?

とかですね。
もっとちゃんと考えるべきですが、テキトーな例です。
>chu2byoさん
不快になるかどうかは、他者に影響を与えられるゲームデザインにするかどうかに関わってきそうですね。
どんな悪党プレイをしても他の人のプレイに影響が出ないなら問題ない。
悪党プレイの極みである世界征服を成し遂げると、他のプレイヤー全員の幸福度スコアが大幅に減るとかはありそう。

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登場人物紹介

架神恭介


作家。主著に『戦闘破壊学園ダンゲロス』『仁義なきキリスト教史』『よいこの君主論』など。フィクション(小説)も書くけど、ノンフィクション(実用書)も書くよ。今回の企画はノンフィクションの方。

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