第1話

文字数 952文字

ホモ サピエンス

昼空に星が見えないから
星がないわけではように
見えないからそれが
ないわけではない
実は昼空にだってぎっしり
星がひしめいている

だから 見えないものをもっと
想像してもいいんじゃないかな
畏れてもいいんじゃないかな
見えないものや測れないものにあまりに
無頓着になってしまっていないだろうか

それは地獄や天国は実在するのだから
恐れよというハナシではない
そんな通俗的な宗教のハナシではなく
もっと 世界の本質に関わるハナシだ

目に見えないもの
測ることが出来ないものにこそ
何か大切なものが
宿っているような気がする
俺たちはあまりにも
それを粗末にしてきた
畏れを知らない生き物ほど
怖いものはない
今の人間がまさにそれで
挙句の果てに
いがみ合い殺し合い
地球を壊しまくってしまった

ホモ サピエンスとは
畏れを失ってしまった
無知で傲慢な生き物のことだったのか
そのことに気づくのが 本当の
ホモ サピエンスではないのか
無知の知を知ることこそが
本当のホモ サピエンスではないのか
Socratesが二千五百年も前に
教えてくれたように

今日から 語ろう
ホモ サピエンスとは
知者を表す言葉ではなく
畏れを知る者
はにかむ者 
恥を知る者
他者に許しを請い
融和を結ぼうとする者であることを


付録 ファンレターさまの紹介と私のコメント

人間の真のあり方を考えさせられました。無限の宇宙では、目に見える物はほんの僅かですね。サン=テグジュペリの『星の王子様』の一節を思い浮かべました。自分の目に見えるものだけが全てではない、ヒトは慢心を捨て、もっと謙虚にならなくてはと思いました。世の中は自分の知らないことばかりで満ち溢れているのだから。せっかく、ホモサピエンスとして生まれたのだから、その叡知を良い方に活かして生きて行こうと思います。


お便り、ありがとうございました。「本当に大切なことは目に見えないんだよ」という星の王子様の言葉を思い出します。自分は臆病すぎるのかも知れませんが、今の社会には何事に対してももっと畏れ敬うという姿勢があった方がいいのではと思います。おカネや目に見える数字だけで私たちは生きているのではありません。他者や自然を敬い、畏れること、ためらうこと、立ち止まることがもっとあってもいいと思います。
そんな繊細で謙虚で弱い種族であることを


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