第24話
文字数 935文字
雨が強くなった気がした。走るのを止めて駅に向かって歩いていると……駅前のパン屋の外で雨に濡れながらパンを頬張っている我が妹がいた……。
「ほひいちゃん!? あれ? なんで?」
「良かったー! 我が妹よ!!」
「??? ほひいちゃん? なんで駅構外にいるの? ほひいちゃんの影が、駅構内のどこかにほひいちゃんを攫ったから絶対一人で来いって……」
「うぎっ??」
俺の影は確かに、さっき影斬りの刃で地面に落としたんだ。なのに…何故?!
ていうか、誰だ!
そいつ!
多分、俺の影じゃない!
カンがそう叫んでいる!
一体、誰の……影なんだ?!
虎倉駅の改札口から一人の影が歩いて来た。
まったく隙のない動きだった。影は俺の傍まで歩いてくると、スッと構えた。
その構えはまぎれもない心影流だった。
だが、誰の影かわからない!
そこで、俺は様子をうかがうことにした。
「あんた誰だ?! 何故、ここに俺たちを呼んだ……?!」
「……」
影は無言だった。
が……?!
影がそのまま上段回し蹴りを素早く打ってきた。
俺は間一髪で躱した。
「心影流は二つといらない……俺だけでいいんだ……」
影が一言漏らした。
一度も聞いたことがない声だった……。
あ、そうか!!
この影は俺と妹を人気のない虎倉駅までおびき寄せたんだ!!
虎倉駅の電車の一日の昇降量は日本一少ないかもしれない。
その数はたった三人だけなんだ。
不気味な影が掛け声と共に技を繰り出す。
平手、裏拳、正拳、貫手、手刀。回し蹴りに膝蹴りと、俺に向かって様々な打ち方をしてくる。心影流は守りの技のはずだったが、この不気味な影は攻撃に集中していた。恐らくかなりの上段者なのだろう。
俺と光は心影流では黒帯クラスだった。
不気味な影が軽いステップをして、連続して技を繰り出していくので、俺は避けるのに夢中になっていた。
気付いたら、俺の後ろは電信柱だった。
しまった!!
いつの間にか追い詰められている!?
「おにいちゃん!!」
「下がってろ! 我が妹よ!」
雨が土砂降りへと変わった。
周囲が瞬時に薄暗くなった。
稲光と共に俺は影の隙を見抜いた。
「そこだああああー! ぶっ飛べええええー!!」
俺は影の腰目掛けて強力な必中の膝蹴りを放った。
「ほひいちゃん!? あれ? なんで?」
「良かったー! 我が妹よ!!」
「??? ほひいちゃん? なんで駅構外にいるの? ほひいちゃんの影が、駅構内のどこかにほひいちゃんを攫ったから絶対一人で来いって……」
「うぎっ??」
俺の影は確かに、さっき影斬りの刃で地面に落としたんだ。なのに…何故?!
ていうか、誰だ!
そいつ!
多分、俺の影じゃない!
カンがそう叫んでいる!
一体、誰の……影なんだ?!
虎倉駅の改札口から一人の影が歩いて来た。
まったく隙のない動きだった。影は俺の傍まで歩いてくると、スッと構えた。
その構えはまぎれもない心影流だった。
だが、誰の影かわからない!
そこで、俺は様子をうかがうことにした。
「あんた誰だ?! 何故、ここに俺たちを呼んだ……?!」
「……」
影は無言だった。
が……?!
影がそのまま上段回し蹴りを素早く打ってきた。
俺は間一髪で躱した。
「心影流は二つといらない……俺だけでいいんだ……」
影が一言漏らした。
一度も聞いたことがない声だった……。
あ、そうか!!
この影は俺と妹を人気のない虎倉駅までおびき寄せたんだ!!
虎倉駅の電車の一日の昇降量は日本一少ないかもしれない。
その数はたった三人だけなんだ。
不気味な影が掛け声と共に技を繰り出す。
平手、裏拳、正拳、貫手、手刀。回し蹴りに膝蹴りと、俺に向かって様々な打ち方をしてくる。心影流は守りの技のはずだったが、この不気味な影は攻撃に集中していた。恐らくかなりの上段者なのだろう。
俺と光は心影流では黒帯クラスだった。
不気味な影が軽いステップをして、連続して技を繰り出していくので、俺は避けるのに夢中になっていた。
気付いたら、俺の後ろは電信柱だった。
しまった!!
いつの間にか追い詰められている!?
「おにいちゃん!!」
「下がってろ! 我が妹よ!」
雨が土砂降りへと変わった。
周囲が瞬時に薄暗くなった。
稲光と共に俺は影の隙を見抜いた。
「そこだああああー! ぶっ飛べええええー!!」
俺は影の腰目掛けて強力な必中の膝蹴りを放った。